マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER

「有力候補」が少ない捕手だが…最注目は“学生ジャパン不動のレギュラー”「返球で投手と会話ができる?」 2023年ドラフト目玉候補《捕手ベスト3》

posted2023/10/23 11:01

 
「有力候補」が少ない捕手だが…最注目は“学生ジャパン不動のレギュラー”「返球で投手と会話ができる?」 2023年ドラフト目玉候補《捕手ベスト3》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ドラフト目玉ベスト3 捕手編【1】上武大・進藤勇也(182cm90kg・右投右打)

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

PROFILE

photograph by

JIJI PRESS

 10月26日に迫るドラフト会議。4回連載で、投手、捕手、内野手、外野手の順に、今年のドラフト注目ベスト3をポジション別にお伝えする。2回目は捕手編だ(全4回の2回目/投手編内野手編外野手編へ)。

 投手の人材はこんなにたくさんいるのに、バッテリーを組む「捕手」はどうしてこんなに少ないのか?

 その答えは、わかっています。捕手は、トレーニングとサプリメントだけでは、レベルアップできないからです。

 たとえば、プロでレギュラーマスクを張ろうという捕手だったら、1試合で最大6、7人の投手と組むことがある。その全員と息を合わせ、その日の調子を見極めながら、気分よく全力投球してもらうには、「強肩・強打」だけではムリで、人間としての社会性や理解力、包容力……さまざまな要素が必要で、要するに「ある程度上質な人間」でないと務まらない仕事なのだ。

 それは、アマチュアだって同じこと。高校生捕手だって、大学生捕手だって、なんら変わりはしない。

 本当に「優秀なキャッチャー」がなかなか現れないのは、ある意味、当然なので、だからこそ、「いた!」と思った時に手中にしておかないと、後で困ったことになる。

捕手編【1】上武大・進藤勇也(182cm90kg・右投右打)

 上武大・進藤勇也捕手(182cm90kg・右投右打・筑陽学園高)とは、高校時代からの「お付き合い」になる。

 今年のドラフトで、おそらく最初の12人のどこかで名前が挙がるはずの西舘昂汰投手(現・専修大・188cm92kg・右投右打)と高校時からバッテリーを組んでいた。当時から、九州No.1バッテリーぐらいの高い評価を受けていて、本人たちがその気だったら、もうとっくにプロのユニフォームを着ていた二人だった。

 進藤捕手の何がよかったのか……と言われれば、あんなに「良い匂い」のする捕手はいなかった。

 たとえば、キャッチャー道具を身にまとった立ち姿、動かした時の所作の一つ一つ、投手にボールを返すテンポとその強弱。投手への返球で、投手と会話ができるのでは……? と、そこまで想像させるほどの、ある種の「オーラ」が元・捕手の筆者の心を捉えていた。当時より体重で10kgほど逞しくなった今だから、そのオーラは絶対的なものになっている。

【次ページ】 捕手編【2】西濃運輸・城野達哉(179cm84kg・右投左打)

1 2 3 4 NEXT
上武大学
進藤勇也
西舘昂汰
専修大学
筑陽学園高校
西濃運輸
城野達哉
常葉大菊川高校
鈴木叶
石岡諒哉
ENEOS
明治大学
村田賢一
大阪商業大学
上田大河
亜細亜大学
草加勝
慶應義塾大学
廣瀬隆太
上田西高校
横山聖哉
皇學館大学
村田怜音
度会隆輝
山形中央高校
武田陸玖
日本文理大学
東門寿哉

プロ野球の前後の記事

ページトップ