3年生の頃から学生ジャパン入りし、以降、不動のレギュラーだったのも、進藤捕手のあのムードと、「絵」としての収まりの良さが、他の選択肢を必要としなかったのかもしれない。

　高校時代の「強肩」というふれ込みも、肘が横に回る腕の振りで二塁送球がシュート回転傾向だったため、そこまで強い肩には見えなかった。二塁に滑り込む走者に、送球がシュート回転では「刺せない強肩」になりかねない。

　しかし、相当練習したのだろう。練習のグラウンドで間近に見て、当時のクセが解消されている上に、送球スピードの素晴しさに驚いた。まだ、急いだ時に肘が横に回りがちだが、そこは本人も気づいていて一生懸命直そうとしているので心配はない。

　引っ張ろうとするとガバッと開いて、素人みたいな打ち方になるが、センターから右中間への意識で打った時は、左肩が残ってバットヘッドが最後に出てくる見事なスイングで、ライナー性の打球がフェンスを超えていく。

　高校、大学となにかと頼りにされて、主軸を打ってきた。だが、6、7番あたりに置いたら、ずいぶんと「怖いバッター」になってくれるに違いない。

捕手編【2】西濃運輸・城野達哉（179cm84kg・右投左打）

「社会人野球・ベーブルース杯で5打席連続ホーマー」

　新聞のこの見出しを見て、最初はなんのことだかよくわからなかった。

ドラフト目玉ベスト3 捕手編【2】西濃運輸・城野達哉（179cm84kg・右投左打） ©SANKEI SHIMBUN

　別に言葉通りの「快挙」なのだが、「ベーブルース杯」という大会は、夏の都市対抗野球、秋の日本選手権の次ぐらいにレベルの高い大会である。ゴールデンウィークの真っ最中の大会だから、都市対抗予選を控えて投手たちの練度も上がり、ホームラン1本打つのもしんどいぐらいの時期に、あろうことか5打席連続弾である。

　西濃運輸・城野達哉捕手（179cm84kg・右投左打・中部大・24歳）。

　この社会人2年目の捕手の離れワザを、私は見ていない。見ていないから、都市対抗は予選から見に行った。もちろん、東京ドームでもそのプレーにじっと目を凝らした。

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