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「走者出しても防御率1.03」オリ平野佳寿“39歳守護神のキャリアハイ”…ドキドキな“WARNING四者凡退”で245セーブは歴代何位?

posted2023/09/05 06:00

 
「走者出しても防御率1.03」オリ平野佳寿“39歳守護神のキャリアハイ”…ドキドキな“WARNING四者凡退”で245セーブは歴代何位?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

オリックスの守護神・平野佳寿。39歳の今もなおバファローズの最後を締める

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 オリックスは8月16日にはチーム打率が.256あったのが、半月で.250まで落ちた。最近の貧打はやや心配だが、それでもマジックが点灯し、数字が減り続けている。その原動力が投手陣にあることは周知の事実だ。

防御率1.03は39歳にしてキャリアハイ

 最多勝の山本由伸を筆頭に、完封勝利が3回を数える宮城大弥、今は腰を痛めているが圧倒的な球威の山下舜平大、安定感が増した左腕・山﨑福也、さらに7月からは東晃平がローテに加わった。先発陣の充実で、昨年まで先発2番手格だった山岡泰輔がロングリリーフに回っているのは「ずるい」という声さえ上がっている。

 救援も160km/h近い速球のある山﨑颯一郎、WBCで成長した宇田川優希、技巧派の阿部翔太といる中で、最後は今年3月に39歳になった平野佳寿が上がる。防御率は1.03とキャリアハイだ。

 本拠地・京セラドームやほっともっとフィールドでは、8回が終わってチームが小差でリードしているとスクリーンが赤一色になって「WARNING(警告)」という不気味な声が響く。守護神・平野佳寿の登場の予告である。

「すごいクローザーが出てくるぜ、注意しろよ!」という相手チームへの警告なのだが、実はオリックスファンにも「WARNINGが鳴ると、どきっとする」「あかんかも、みたいな気になる」という人が少なくない。

走者を背負って冷や冷やさせつつ抑える“ある数字”

 平野はオリックスの絶対的なクローザーではあるが、結構な確率で走者を出す。そういうクローザーを「四者凡退」とか「五者凡退」などと表現する人もいるが、平野は「走者を背負って味方やファンを冷や冷やさせて抑えるタイプ」なのだ。

 数字がそれを物語っている。今季、両リーグで20セーブ以上の投手の1回当たりの対戦打者(BF/IP)数。

〈パ・リーグ〉
益田直也(ロ)4.06(打者195)

51登48回2勝4敗34S11H 率3.56
松井裕樹(楽)3.86(打者166)
46登44.1回1勝3敗31S6H 率1.62
平野佳寿(オ)4.23(打者148)
37登35回3勝2敗24S5H 率1.03

田中正義(日)4.1(打者168)

41登41回2勝2敗22S8H 率3.07

〈セ・リーグ〉
マルティネス(中)3.72(打者160)

44登43回3勝1敗30S8H 率0.21
田口麗斗(ヤ)3.98(打者166)
42登41.2回1勝3敗29S6H 率1.51
岩崎優(神)3.76(打者184)
52登49回3勝2敗28S12H 率1.29
矢崎拓也(広)4.20(打者182)
46登43.1回4勝2敗24S7H 率2.70
山﨑康晃(De)4.13(打者176)
46登42.2回3勝6敗20S8H 率4.01

 平野は両リーグの20セーブ投手9人の中でBF/IPが一番多い。

【次ページ】 オリックス黄金期の守護神であり続けた

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