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プロ野球チームに重要な株主総会までの戦い方…阪神「岡田さんを招聘していただき御礼申し上げます」西武「食事が不味くなる」 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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posted2023/07/02 11:03

プロ野球チームに重要な株主総会までの戦い方…阪神「岡田さんを招聘していただき御礼申し上げます」西武「食事が不味くなる」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

通算6シーズン目の指揮となる今季の阪神は開幕から好調で、岡田監督の采配があらためて評価されている

 こんな“ご意見”もあった。

「阪神電車の内装も阪急と同じように木目模様に。また車両の外装もいわゆるジャイアンツカラーをやめた方が事故も減るのではないか」

 憎き巨人のことは総会でも出ちゃうのだ。この提案には「阪急阪神HD株主総会の株主総会は阪神タイガースのファンミーティング」「今年も阪神タイガースファンミーティングの季節か」といった声がSNSで上がったとサンスポは伝えた。

 野球だろうがサッカーだろうが熱心なファンが集まれば、贔屓のチームの「改革」についてワイワイ語り合うのが醍醐味だが、それを実践してしまう人が株主にもなる? という見方もできる。

阪急と阪神のビミョーな関係

 さて、平穏だった阪急阪神HD株主総会だが、タブロイド紙ではこういう見方になる。

『親会社「阪急」の“岡田推し”ピタリで株主総会は称賛ムードも…「阪神」は肩身が狭い』(日刊ゲンダイDIGITALデジタル6月17日)

「阪急」の“岡田推し”とは、

・岡田監督が今季、2008年以来2度目の監督に就任したのは、阪急サイドの意向があるといわれる。

・球団のオーナー職は昨年、阪神電鉄から阪急電鉄へ“委譲”。角会長の“名代”として阪急阪神HDで社長を務めていた杉山オーナーが就任し、岡田体制の後ろ盾を築いた。

・角会長と岡田監督は早大出身。以前から親交が深く、過去に3度監督を務め、1985年日本一を導いた重鎮OBの吉田義男氏が事実上の後見人と言われている。

 その上で岡田阪神が好調なので、肩身の狭い思いをしているのが阪神サイドではないか、と説くのだ。

《阪神サイドはオーナー職を阪急サイドに“召し上げ”られ、阪急推しの岡田監督が今のところ、ピタリとハマっている》

 あくまで一つの見解だが、株主総会のニュース一つでこれだけ切り口が出てくるのである。

【次ページ】 下位西武の株主総会は…

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