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順大2年生エース三浦龍司に聞く“駅伝への率直な想い” 苦手だけど「箱根に賭ける熱意では絶対に負けていない」

posted2021/10/09 11:03

 
順大2年生エース三浦龍司に聞く“駅伝への率直な想い” 苦手だけど「箱根に賭ける熱意では絶対に負けていない」<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto

昨季1区を任された箱根駅伝を、順大エース三浦龍司は「悔しかった」と振り返った

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Tsutomu Kishimoto

東京五輪3000m障害で日本人史上初の7位入賞という快挙を成し遂げた順天堂大学2年生、三浦龍司。注目の19歳に、東京五輪までの道のりから駅伝への想い、そして意外な素顔を聞くロングインタビューです(全3回の2回目/#1#3)。

 昨季、順天堂大は全日本大学駅伝で8位、箱根駅伝は7位という成績だった。

 ただ、箱根に関しては、予選会でトップ通過を実現し、選手は自信を持って挑んだだけに、トップ3の目標を実現できず、悔しさだけが残った。

 三浦は、駅伝デビューとなった昨季のレースについて、こう振り返る。

「全日本までは順調に走れていましたし、結果(1区区間賞)もちゃんと残せていました。でも、箱根駅伝は日本選手権の時に故障してしまって……。距離への不安もあったなか、最後に合わせていかないといけなかったんですが、うまく調整できなかった。1区で勢いを作る重要な役割を任されたのですが、その役目を果たすことができなくて、悔しかったです」

三浦にとって駅伝(ロード)は“鬼門”

 名門・洛南高校時代からトラックで輝かしい戦績を収めてきた三浦にとって駅伝(ロード)は、鬼門でもあった。高校時代の都大路でも、1年時は4区27位、2年時は1区9位、3年時は1区21位と思うような結果が出せず、苦手意識が膨らんだ。それを克服するために大学1年時の夏合宿では特に距離を踏み、全日本でその成果を見せた。

「昨季は、ロードのよくないイメージを払拭したいとずっと思っていましたが、やっぱり不安がありました。ロードで走っていると、たった1kmでも長く感じたり、ペース感覚が鈍くなってしまうんです。相手の距離を詰めたり、そういう駆け引きの部分もトラックとは全然違ってやりにくいのでうまく走れない。箱根になると距離もずっと長いので」

 全日本は9.5kmだが、箱根となると21.3kmになる(1区)。トラックシーズンは3000m障害が軸なので、距離でいうと3kmしか走っていない。障害を乗り越える負荷はあるが、距離だけ見ると箱根はその7倍にもなる。

【次ページ】 三大駅伝すべてで結果を残すために

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