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順大2年生エース三浦龍司に聞く“駅伝への率直な想い” 苦手だけど「箱根に賭ける熱意では絶対に負けていない」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byTsutomu Kishimoto

posted2021/10/09 11:03

順大2年生エース三浦龍司に聞く“駅伝への率直な想い” 苦手だけど「箱根に賭ける熱意では絶対に負けていない」<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto

昨季1区を任された箱根駅伝を、順大エース三浦龍司は「悔しかった」と振り返った

「上半期は3000m障害だけなので、毎回3kmしか走りません。ただ、そこから20kmを走る身体に切り替えるのはすごく難しかったですね。スタミナを戻したり、20kmのペースでの駆け引きができるように感覚を変えたり……。準備期間が短ければ短いほど難しさを感じました」

 ただ昨季も箱根駅伝では苦戦したものの、その前の予選会ではハーフを1時間1分41秒で駆け抜け、日本人トップの全体5位になっている。20kmは決して走れない距離ではないはずだが……。

「予選会では一発屋みたいな感じで結果が出てしまったので、周囲からもそう言われましたし、自分でも『走れるかも』と思ったんですがやっぱり(ロングは)苦手です(苦笑)」

三大駅伝すべてで結果を残すために

 苦手意識は変わらないが、それでも同じ轍は踏まない。昨季は全日本まではうまく走れていたが、その後は怪我で走りがギクシャクしてしまった。今季は自らに厳しく、徹底的に体の管理をしている。

「とにかく今季は怪我をしないようにセルフケアやボディチェックをより一層入念にやっています。何か異変があった時、それが瞬間的な疲労によるものなのか、それともこのままいくと悪い状態になっていくのか、自分の体と対話をしながら見極めて練習する毎日です」

 自分の身体に敏感にセンサーを働かせているのはレースでいい走りをするためだが、今年は出雲、全日本、箱根と三大駅伝すべてに出場し、結果を残すためでもある。

「今年は、三大駅伝をすべて走る覚悟でいます。監督とも話しましたし、僕としても昨季の悔しさを晴らしたい。まず、出雲では短めの距離でスピードやスタミナを確認し、全日本では距離が延びたところで夏合宿に距離を踏んだ手応えを感じられたらいいなと思っています。全日本から箱根までは少し時間が空きますけど、2つの駅伝の良い点、悪い点をしっかり押さえたうえで、箱根に臨みたいですね」

箱根ではエース区間?「いやーそれはないです(苦笑)」

 出雲は初出場となるためどの区間になるか分からないが、三大駅伝オール1区ですべて区間賞を獲れば、これは三浦ならではの快挙になりそうだが、出雲ではエース区間の3区の可能性もある。昨季1区だった箱根は、どの区間を狙っているのだろうか。

【次ページ】 「田澤さんとヴィンセントは…」

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