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ハリル解任報道の“味付け”で分かる、
各スポーツ紙ビミョーな立ち位置。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byKoji Watanabe/Getty Images

posted2018/05/01 17:00

ハリル解任報道の“味付け”で分かる、各スポーツ紙ビミョーな立ち位置。<Number Web> photograph by Koji Watanabe/Getty Images

爆弾発言を期待した報道陣。会見内容は、代表監督の思い出と少しの皮肉、そして困惑の気持ちを告げるのみで終わった。

「この2選手とは誰なのだろう」に応える新聞。

「ハリル氏暴露 W杯決定直後『2選手がっかりしていた』」と1面で伝えたのはスポーツ報知(4月28日)。

 ここでいう2選手とは誰なのだろう。そこは読者の興味にあわせたスポーツ紙である。

《「オーストラリアに勝ってW杯予選を通過した試合の後ですら2人の選手ががっかりしていた。それまで試合に出ていたわけだから。W杯代表23人を選ぶのは、どこの国でもあつれきが起きる」。それまで主力扱いだったが、オーストラリア戦で出場がなかったのはFW本田圭佑(パチューカ)とMF香川真司(ドルトムント)だった。》

 ハリル氏の言葉をピックアップしながら、淡々と事実を入れて示唆する報知。

 他紙の見出しも並べてみる。

「協会2トップと“2選手”に切られた ハリル節90分」(スポニチ・4月28日)

「(サッカー協会の)田嶋会長に恨み節 ハリル氏 解任監督が超異例の反論会見90分超」(サンスポ・4月28日)

日刊スポーツはハリル氏に対して厳しい。

 そしてこちらは日刊スポーツ。

「自己弁護 協会批判 内情暴露 最後までハリル節93分しゃべりっ放しでサヨウナラ」(4月28日)

 日刊スポーツはハリル氏に対して厳しいニュアンスであることがわかる。

 記事の冒頭は《監督でなくなってもハリルホジッチ氏の会見はやっぱり長かった。》

 監督時代のハリル氏のミーティングは長かったというが、そこをちょっと皮肉っているのだ。

【次ページ】 「W杯2カ月前にやっとそんなことに気づいたの?」

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