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人気作家・東野圭吾が作り出した
夢の祭典「スノーボードマスターズ」。

posted2018/04/17 16:30

 
人気作家・東野圭吾が作り出した夢の祭典「スノーボードマスターズ」。<Number Web> photograph by SBM/Shigeki Yamamoto

ド派手なワンメイクが見所の「ストレートジャンプ」。滑っても飛んでも楽しい、スノボの魅力がたっぷり詰まった大会となった。

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秋月透馬(文藝春秋)

秋月透馬(文藝春秋)Toma Akizuki

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SBM/Shigeki Yamamoto

「ガリレオ」や「加賀恭一郎」などの人気シリーズ、『雪煙チェイス』などの雪山を舞台にした小説など、数々のベストセラーを生み出している作家・東野圭吾。現実の世界でも、極上の「エンタメ空間」を作りだし、人々を驚かせた。

 1シーズンに30回はスノーボードをするという東野氏が発起人となった、まったく新しいコンテスト「SNOWBOARD MASTERS(スノーボードマスターズ/以下SBM)」が、4月7日から8日の2日間、新潟県妙高高原の赤倉観光リゾートスキー場で行われた。

 総合プロデューサーを務めた東野氏は、大会の見どころをこう話す。

「スノーボードをよく知らない人と話していると、オリンピック競技の印象が強いからでしょうか、『空中をくるくる回っているのか?』と聞かれることが多いんです。雪上を気持ちよく滑るのがスノーボードだということが、なかなか伝わらないんです。

 そこで、速く滑れて、華麗なフォームも披露できる――『スノーボードが一番上手いのは誰なのか』を明らかにする大会があればいいのにな、いっそ作ってみようかと思い立ったのです。

 嬉しかったのは、専門家の皆さんたちが、賛同してくれて、大会が実現したことですね。

 専門性が高いオリンピック競技は、30歳を過ぎたら難しいと言われていますが、総合的なスノーボードの技術は、どんどん高めていけるはずです。私たちのような一般のスノーボーダーの延長線上にある“うまさ”を、どれだけ見せてくれるか、期待しています」

3種目で「一番上手いスノーボーダー」を決める!

 では「一番上手い」をどうやって決めるのか?

 東野氏と大会スタッフは、何度も協議を重ね、3つの種目を用意した。

 1つ目は、急斜面に作られた立体的なカーブである「バンク」の内側に設けられた、複数の旗の側をターンし、滑走のタイムを競う「バンクドスラローム」。

 2つ目は、両サイドに傾斜のある雪の壁を設けたコースで、カービングのスキルを競う「フリーライディング」。

 最後は、約20度の傾斜の後に設けられたジャンプ台で、ワンメイクのジャンプを競う「ストレートジャンプ」だ。

 それぞれの種目をポイントに換算して、合計ポイントで順位を決めることになる。

 五輪競技では、ジャンプの技を競う「ハーフパイプ」「ビッグエア」「スロープスタイル」や、スピードを競い合う「パラレル大回転」「スノーボードクロス」と、細分化されている。

 大会に携わった関係者はこう語る。

「今年は五輪もありましたし、平野歩夢選手の活躍もあって、ハーフパイプは注目を集めました。それは嬉しいことだけれども、五輪競技だけがスノーボードではない。それだけを見ていると、本当の魅力が見えなくなる。SBMは、オールラウンドなスキルを持ったライダーしか勝てない、という史上初めての大会でした」

【次ページ】 日本最高額となる優勝賞金200万。

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