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ハリルはいかに時差を乗り越えたか。
「寝ない」という原始的な対策方法。

posted2017/09/12 11:30

 
ハリルはいかに時差を乗り越えたか。「寝ない」という原始的な対策方法。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

海外組という言葉もめっきり聞かなくなったが、彼らの移動距離は全く減っていない。アスリートにとって時差は死活問題なのだ。

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Takuya Sugiyama

 海外組は日本に戻ってすぐに試合。

 長距離移動の疲労や時差が、彼らを襲う。

 親善試合を挟んで本番があるならまだしも、1試合目から大事な試合が待っているとなると体は相当にキツい。

 実際、アジア最終予選2連戦“一発目”のホームゲームは苦戦している。初戦となった昨年9月のUAE戦は1-2で敗れ、続く10月のイラク戦は終了間際に山口蛍の決勝ゴールで辛くも勝ち点3をもぎ取った。

 だが今回の“一発目”オーストラリア戦は違っていた。欧州のシーズンは始まったばかりでコンディションが良いとまでは言えないにしても、悪くはなかった。ピッチにいる全員が最後まで戦い、プレー強度が高く、最後まで走り切ったのだから。

3月に初めて聞いた、時差対策の話。

「どうにかならんかな」

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の渋い表情には、そう書いてあった。

 時差対策の話を初めて聞いたのは3月のアウェーUAE戦、ホームのタイ戦を迎える前だった。

「火曜日に帰国して、木曜に試合する選手も出てくる。時差の影響を極力小さくする方法が何かないだろうかとメディカルスタッフとも話し合っている。私も欧州から来るときにどういう影響があるかを感じてきたし、欧州でプレーしている選手たちには時差の影響をどう感じているかアンケートも取っている。(長距離移動と時差は)我々のハンディキャップ。メンタル的にも最高の状態で入らなければならない試合がこれから続き、そこに影響が出てはいけない。この課題を何とかクリアしていきたいと思っている」

 UAEでスタートした3月の2連戦は欧州から距離が近いため、喫緊の問題ではなかった。つまり8月31日のオーストラリア戦を見据えて、その準備も併行してやっていく必要があるんだと言っているように私には聞こえた。

【次ページ】 医療機器などを経てたどり着いた結論は……。

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