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ハリルはいかに時差を乗り越えたか。
「寝ない」という原始的な対策方法。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2017/09/12 11:30

ハリルはいかに時差を乗り越えたか。「寝ない」という原始的な対策方法。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

海外組という言葉もめっきり聞かなくなったが、彼らの移動距離は全く減っていない。アスリートにとって時差は死活問題なのだ。

2014年のコンディションは失敗だった。次こそは。

 とはいえ飛行機移動でストレスを溜めてしまっては意味がなくなる。

「機内ではサッカーノートを書いたり、DVDを見たりしてメンタルを準備しつつ、(移動の)10時間を自分でコントロールしていく。機内のライトが消されてからも、寝ないで体が固まらないようにと通路をよく歩いていた。

 目の前に代表戦やセリエAの試合が待っているわけだから、どうしても気が張ってしまうところがある。とはいえ飛行機ではリラックスすることも大事。ヒデ(中田英寿)さんは飛行機に乗ってすぐにスウェットに着替えていたし、自分もまずは楽な格好にした。風邪を引かないように体に毛布を掛けて、DVDもダウンタウンさんの『ガキの使い』とか、移動用に取っていたものをここで見たりして楽しむ時間にもした」

 トライ&エラーを繰り返して、自分なりの答えを見つけていく。それは中村のみならず、みんなそうであったはずである。やり方に個人差はあれども、今度はチームとして「なるべく寝ない」を意識づけさせたわけだ。何もそこまでと思うかもしれないが、ハリルホジッチはそこまでこだわろうとした。

 失敗を重ねて成功がある。その意味で早くから準備を始めておくにこしたことはない。試行錯誤の成果がオーストラリア戦に現れたのである。

 さて次は、9カ月後のロシアW杯に向けた「早めの準備」だ。

 2014年のブラジルW杯本大会におけるコンディションづくりは成功したとは言い難い。“準備の人”ハリルホジッチのもと、成功のノウハウを得たいものである。

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新生日本代表いざ、ロシアへ。

Sports Graphic Number 2017/9/15臨時増刊

新生日本代表
いざ、ロシアへ。

ハリルホジッチと27人の男たち
井手口陽介/浅野拓磨/大迫勇也
原口元気/吉田麻也/長友佑都
長谷部誠/本田圭佑

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