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シャルケとヴォルフスに密かな改革。
岡崎&内田の競演は実現するか? 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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posted2017/01/19 11:30

シャルケとヴォルフスに密かな改革。岡崎&内田の競演は実現するか?<Number Web> photograph by AFLO

シャルケがCLベスト4進出した時の原動力だった内田とフンテラール。ファンから愛されるふたりも、今では若手から突き上げられる立場となった。

岡崎獲得で、定位置奪回を目指す内田と競演も?

 興味深いのはビルトが続けて報じた「レスターの岡崎獲得説」だ。エムボロ、ディ・サント、そしてフンテラールが負傷離脱しているため、シャルケの2トップは3月頃まで、ブルグシュタラーと本職がウイングのエリック=マキシム・チョウポ=モティンク、同トップ下のマックス・マイヤーで回さなければならない。

 その窮地を救いうる人材として、ハイデルSDがマインツ時代に獲得した実績のある岡崎を再び確保する可能性を伝えたのだ。残りわずかの移籍マーケットで取引が成立するかはともかく、入団すれば内田篤人との共演が実現する。我々日本人にとっては気がかりなニュースだ。

 一方で、抜け目のないハイデルSDはDFラインのテコ入れも怠らなかった。一線級の実力者が主将のヘベデス、ナウド、マティヤ・ナスタシッチしかいないセンターバックに、ホルガー・バドシュトゥバーを迎え入れたのだ。

 度重なる怪我でバイエルンでの居場所を失ったとはいえ、同世代のマッツ・フンメルスやジェローム・ボアテンクより早くドイツ代表のレギュラーまで上り詰めた経歴を持つ。そんなレフティーの加入により、層が薄かった3バックも質の高いローテーションを実現させられるようになる。

 ローテーションと言えば、内田もまずはターンオーバー要員からレギュラー返り咲きを期す。1月4~11日の日程で行われたスペインキャンプに参加し、10日のテストマッチ(対オーステンデ)で決勝点をアシストするなど状態は上向き。本人はシャルケの公式サイトを通じて、1月12日時点でのコンディションは「80パーセントくらい。日々良くなってます」と明かしている。シャルケでは“ベテラン”の一人に数えられる内田が、盟友フンテラールとともに健在を示せるか注目だ。

ヴォルフスはドラクスラー売却益で若手をゲット。

 シャルケ以上に冬の動きが激しかったヴォルフスブルクも、後半戦の注目チームに挙げられる。周知のとおり、ユリアン・ドラクスラーをパリ・サンジェルマンに放逐したクラブはその売却益(実に4200万ユーロ)を元手に、シーズン途中にしては大掛かりな補強を展開。2015年9月の排ガス不正問題の発覚以降、親会社の『フォルクスワーゲン』が強化費を出し渋っている中で、首尾良く陣容の充実度アップを実現させた。

 新戦力の目玉はユヌス・マリ。マインツでリーグ戦通算29ゴール・18アシストの実績を築いた24歳のテクニシャンが、ドラクスラーの付けていた10番の後継者として攻撃を牽引する。想定されるのは4-2-3-1システムのトップ下起用で、ここまで4ゴール止まりの大砲マリオ・ゴメスの復活を促すようなチャンスメークに期待が懸かる。

【次ページ】 プロキャリアのない38歳の新任SDの手腕に称賛を。

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