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シャルケとヴォルフスに密かな改革。
岡崎&内田の競演は実現するか?

posted2017/01/19 11:30

 
シャルケとヴォルフスに密かな改革。岡崎&内田の競演は実現するか?<Number Web> photograph by AFLO

シャルケがCLベスト4進出した時の原動力だった内田とフンテラール。ファンから愛されるふたりも、今では若手から突き上げられる立場となった。

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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「“ハンター”との別れが近づいている」

 1月上旬、大衆紙ビルトはそう書き綴った。“ハンター”とはドイツにおけるクラース=ヤン・フンテラールの愛称だ。言わずと知れたシャルケの点取り屋はミランからやって来た2010年8月の入団以降、公式戦通算124ゴールを積み上げてきた。1970年代に活躍した伝説のFWクラウス・フィッシャーに次ぐクラブ歴代2位の大記録だ。

 近年のフンテラールはスコアラーとしての職務にかぎらず、精神的支柱の役割も担ってきた。負傷しがちのベネディクト・ヘベデスに代わり、腕章を巻いたのは一度や二度ではなく、躍進とはなかなか縁のないチームの中で味方を鼓舞。本人のモットーである「常にベストを尽くす」ことを心掛け、シャルケに全身全霊を捧げてきた。

ハイデルSDは“脱フンテラール”の布石を打った。

 ビルトがその功労者との別れを予測するのは、シャルケが今冬の移籍市場でギド・ブルグシュタラーを獲得したからに他ならない。ニュルンベルクでゴールを量産し、2部リーグの得点ランクトップに立っていたオーストリア人は、フンテラールにないドリブルでの局面打開力に秀でており、左右のウインガーでも機能する。33歳のフンテラールより6歳若い年齢も魅力で、まさに脂の乗り切ったアタッカーだ。

 そのブルグシュタラーの入団に伴い、ケーニヒスブラウ(シャルケの愛称)のセンターフォワードは総勢4人になった。残りの2人はスイス代表のブレール・エンボロとアルゼンチン代表歴を持つフランコ・ディサントで、前者は2021年夏、後者は2019年夏まで契約を残している。一方で、フンテラールのそれは今シーズン末までだ。従って、ビルトは余剰人員になりかねない功労者とシャルケの蜜月の終焉に言及したのだ。

 ビルト予測の正否はともかく、昨年5月から強化部門を取り仕切るクリスティアン・ハイデルSDと、今シーズンから指揮を執るマルクス・バインツィアル監督が“脱フンテラール”の布石を打ったのは確かだ。長年に渡り、良くも悪くもチーム成績を左右していたフンテラールの正統後継者たりえる点取り屋が頭角を現せば、シャルケのシーズン後半戦どころか未来が明るくなる。

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