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<J助っ人外国人から日本への提言> ジョルジーニョ 「理想的な形は'94年のブラジル」 

text by

藤原清美

藤原清美Kiyomi Fujiwara

PROFILE

photograph byKazuaki Nishiyama

posted2015/05/05 10:00

<J助っ人外国人から日本への提言> ジョルジーニョ 「理想的な形は'94年のブラジル」<Number Web> photograph by Kazuaki Nishiyama

1964年8月17日、ブラジル生まれ。95年~98年にかけて4季を鹿島でプレー。12年の1季、古巣である同クラブを率いた。

かつて伝説的プレーヤーとして、指導者として、
日本サッカーをつぶさに観察した5人の先達。
岐路に立つ今こそ胸に響く、その熱きエール。

Number874号「創刊35周年特集号 日本サッカーへの提言。」より、
鹿島の強さの礎を築いたジョルジーニョのメッセージを全文公開します!

 日本でプレーし、監督も経験した僕から見て、日本人はまだ、自分たちの持っているポテンシャルに気付いていない。もちろん技術的なクオリティは高いし、戦術的にも規律正しくやれる。でも、まだ自分の力を信じていない。国内や欧州で有名になった選手でもそう。やれると信じることだ。

 その意味で、日本代表に新しい外国人監督が就任する場合は、日本人を理解することが大事になるだろうね。

 例えば僕も、日本の選手たちと笑ったり、泣いたりした。共に悲しみ、共に喜び、一緒にウイニングランをしたり、本当にいろいろなことがあった。そうやって、選手のメンタリティを理解するのは、必要なことなんだ。

 ある選手には厳しく接すること、ガツンと叱りつけてやることが必要かもしれないし、別の選手に対しては抱きしめてやることが必要な場合もあるかもしれない。日本の文化の中では、父親や母親に、一度も抱きしめてもらった記憶のない選手もいるからね。そうした日々の積み重ねの中で、プレーヤーたちが、自分自身のポテンシャルを信じることができるようにしないといけないんだ。

ブラジルvs.ドイツの「1-7」から学んでほしいこと。

 ただ、その自信を具体的にサッカーの内容に結びつける時、始終前がかりになって攻撃すればいいというわけではない。サッカーには対戦相手がいるんだから。

 明確な例を、昨年のW杯から挙げよう。ブラジル対ドイツ戦は、1-7でドイツが勝った。僕に言わせれば、ブラジルの第一の過ちは、自分達が勝つと確信してしまっていたことだ。

 もちろん、勝つんだという自信は持たないといけないが、自信過剰になるのとは話が違う。

 ブラジルは、ドイツをもっと尊重するべきだった。というのもブラジルはドイツに対して、あれほどオープンに戦って良いようなチームではなかったんだ。だから、ああいうことが起こってしまった。0-3になった時、徹底的に守りを固めるべきだったよね。そして、ここぞというチャンスがある時だけ、カウンターアタックに出る。少し呼吸を整えて次の機会が来たら、ゴールを狙う。

 同じことを僕は、日本サッカーに対して言いたいんだ。

【次ページ】 相手次第では守りを固めて、ここぞという時に……。

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