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帰ってきた「キャプテンと司令塔」。
長谷部と遠藤はやはり不動なのか? 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/11/15 11:30

帰ってきた「キャプテンと司令塔」。長谷部と遠藤はやはり不動なのか?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

久々の代表復帰ながら、圧倒的な存在感で中盤を制圧し、チームに活力を取り戻した長谷部誠と遠藤保仁。ベテランの活躍は心強いが、若手が彼らの席を脅かさなければならない。

厳しいチェックが光ったアンカーの長谷部誠。

 中盤では長谷部と遠藤の存在が際立っていた。

 まずアンカーに入った長谷部。守備ではセンターバックの前に陣取って体を張り、攻撃ではセンターバックの間に入ってボールを散らす。前半41分、チームの2点目は相手にボールが入ってきたところをスライディングでカットして、それが前線の本田に渡ってゴールにつながった。

「あれは全然狙ってないです。普通にクリアしたら、結果いいところにいった」

 そう笑ったが、長谷部の厳しいチェックは終始光っていた。前半22分にはファウルでカウンターの芽をつぶし、その後、35分に遠藤がイエローカードをもらった際はゲームキャプテンとしてレフェリーに確認している。嫌な流れを断ち切るプレー、ひと呼吸置くインサイドワークはさすがだと思えた。

 3点目は左サイドバック酒井高徳への長谷部のサイドチェンジからチャンスが生まれ、遠藤のミドルシュートに至っている。このサイドチェンジのボールが非常に効果的だった。長谷部が中央に入ることで両センターバックが左右に開き、サイドバックを押し上げる形。サイドチェンジを有効に使うというのが、この日の一つの狙いでもあった。つなぐことに固執せず、ロングボールを効果的に使おうとしていた。

アンカーとしての資質を十分に見せつけた。

 試合後、長谷部はこの試合で得た手応えを述べている。

「監督から“これをするな”とは言われていない。“こういう形はあるよ”とヒントを与えられたなかで、臨機応変に組み立ててやった部分もあります。相手がそんなに良くなかったというのもあるとは思いますけど、代表戦で6-0というのもなかなかない。点が取れたということに関しては評価できるんじゃないかと思う」

 後半、ロングボールを入れてくる相手に空中戦で競り負けたシーンはあったものの、アンカーとしての資質を十分に見せつけたパフォーマンスだったように思う。

【次ページ】 高い位置でテンポと連係を生み出した遠藤保仁。

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遠藤保仁
長谷部誠

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