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<独占公開、W杯の真実> 矢野大輔・ザックジャパン通訳日記 ~ギリシャ戦、そしてグループリーグ最終のコロンビア戦へ~ 

text by

矢野大輔

矢野大輔Daisuke Yano

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photograph byHirofumi Kamaya

posted2014/10/30 11:30

<独占公開、W杯の真実> 矢野大輔・ザックジャパン通訳日記 ~ギリシャ戦、そしてグループリーグ最終のコロンビア戦へ~<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya
19冊にのぼる大学ノートに綴られた日本代表4年間の記録。
そこには今まで明かされることのなかったザッケローニ監督の
真意や選手との対話が克明に記されていた。貴重な資料の中から
ブラジルW杯に挑んだザックジャパン激闘の日々を公開する。

                     ◇             ◇             ◇

本日発売のNumber864号「これでいいのか? 日本代表」では、
矢野大輔通訳による「ザックジャパン通訳日記」第5回が掲載されています。
今回は、1分1敗と背水の陣で迎えたコロンビアとのグループリーグ最終戦に
4年間の集大成を懸けて挑むザックジャパンの覚悟が綴られます。

NumberWebでは、863号で掲載したギリシャ戦の模様から、
わずかな可能性を信じてチームの雰囲気を変えようとする
ザッケローニ監督の意図を特別に公開します。

<2014年6月19日(木)>

 11時30分頃、監督が「キャプテンを呼んで欲しい」と言ってくる。

「今日のギリシャ戦は、我々にとってのW杯決勝だ。ハセ(長谷部誠)をスタメンで使う。だからピッチ上の監督として、チームがレールから外れないようにコントロールしてほしい」と話した上で、この後全体MTG(ミーティング)で説明する試合のポイントを先に伝えた。

 正午からのランチ後、監督と2人でエレベーターに乗り込む際、サポーターから「頑張ってください!」と声を掛けられる。「ガンバリマショウ」と答える監督。この4年間、ずっとそうだった。サポーターの声援はいつも力になる。

 そして16時からの全体MTG。

「ギリシャ戦、大きなポイントが3つある」

「これからのギリシャ戦、大きなポイントが3つある。

(1)チームが連動して、90分間継続してインテンシティを出せる状態にしておくこと。すべてはこれができるかどうか。攻守においてボールの位置に合わせて、コンパクトにチームが連動すること。攻撃ではダイナミズム、守備ではアグレッシブさを出す。

(2)動きながらサイドとバイタルエリアを崩す。我々のサイドFWは相手サイドバックの上がりにはついて行くが、攻撃の意識を持ち続けること。このサイドでの引っ張り合いに勝てるかどうか。7番(サマラス)と14番(サルピンディギス)または18番(フェトファツィディス)は、うちのサイドバックがオフザボールで走った時に付いて来れない。しかし足元に受けると付いて来る。マンマーク気味のギリシャに対してパス&ムーブ、スペースにボールを動かせるかが重要だ。

(3)特にサイドで守備をアグレッシブに。サイドの守備は2対2で。特にボールがサイドに出たら勢いよくアプローチにいくこと。

 それからギリシャはボールを失った時、サイドバックはうちのサイドFWに対してマンマークに付くため、ワイドなポジションにいる。その上、ボランチとDFラインが連動しないから、バイタルに広いスペースが生まれる。だからボールを奪ったら、すぐそこのスペースを見ること。(本田)圭佑&サコ(大迫勇也)対センターバック2枚の状況をイメージする。

 ここで敢えてモチベーションを与える必要はないだろう。この試合の重要性は、ここにいる全員が分かっていると思う。我々のサッカーを全員でやろう」

【次ページ】 試合直前、ロッカールームでの監督の言葉。

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