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ザックジャパン史上最悪の危機!?
この閉塞感を打破する「熱」を求む。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/10/16 11:45

ザックジャパン史上最悪の危機!?この閉塞感を打破する「熱」を求む。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

試合を終え、ピッチを後にした本田。今冬には移籍も噂されているが、クラブでも代表でも自らのパフォーマンスを取り戻す必要がある。

パスミスからのカウンターに手を焼き始め……。

 セルビア戦は左サイドがマークされ、前線で数的優位をなかなかつくれなかった。カウンターのリスクもあり、簡単にはサイドバック、ボランチも上がっていけない状態だった。

 だがこの試合では、長友佑都の逆サイドでいつもは低い位置にいることの多い内田篤人がリスクを冒して効果的な上がりを見せた。前半19分、香川真司とのワンツーで抜け出し、シュートを放っている。

 チームはその前に、柿谷曜一朗が決定機にゴールを決められないシーンもあったが、出だし自体は悪くなかった。奪われたら高い位置でプレスをかけ、回収できた時間帯もあった。中央突破のこだわりも感じることはできた。

 だが、ボールが入ってくるところを狙って体をぶつけてくるベラルーシの守備に次第に手を焼くようになる。内田のシュート後、パスのつなぎをミスしてカウンターを食らうと、そこから同じ手を何度も食らうことになる。26分にも遠藤保仁の縦パスから細かくつないでゴールに迫ったが、カウンターを受けたところを長谷部誠が倒し、イエローカードを受けている。こういうのがボディーブローで効いてくるのだ。

「日本のパスワーク」vs.「ベラルーシのカウンター」。

 44分の失点も、パスのつなぎに失敗してカウンターに持ち込まれたことがきっかけ。

 リスタートからサイドに大きく振られ、頭で落とされたボールをミドルで叩きこまれた。日本は徐々にパスワークを分断され、カウンターを受けるジレンマに陥っていく。ベラルーシはそこに勝機を見つけると、チームの勢いもグッと増していった。

 逆に日本は高い位置でボールを奪っても、攻撃に時間をかけてしまい、相手の素早い戻りで対応されてしまう。試合勘の問題なのか、この試合でも香川のタッチに微妙な狂いが生じていたし、ケガの影響もあるのか本田もボールがなかなか収められない。この2人の状態があまり良くなく、それでも前線のパスワークに活路を見出そうとした結果、カウンターをより多く食らうことになってしまっていた。

 日本のパスワークとベラルーシのカウンター、どちらが脅威だったかと言えば間違いなく後者のほうだった。

 もちろん、ブレずにパスワークで押し続けることが大切な時もある。

 だがここに、活性化しなかった要因があるとも思うのだ。そこにもきちんと目を向けていく必要があるのではないか。

【次ページ】 布陣や選手を代えても活性化しないチーム。

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アルベルト・ザッケローニ
本田圭佑
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内田篤人
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長友佑都
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森重真人
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