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キャプテンマークをブラジルで!
アジア杯で試される槙野智章の資質。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2010/12/14 10:30

キャプテンマークをブラジルで!アジア杯で試される槙野智章の資質。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

身長182センチ、体重77キロ。積極的に得点も狙うDFでもあり、自らのポジションのことを、DFとFWを兼ねるとして“DFW”とも呼んだことがある

ザッケローニの考える世代交代の要として存在感を示す。

 槙野には強烈なリーダーシップがある。

 サンフレッチェ広島ではキャプテンマークこそ巻いていないが、23歳の彼がチームを引っ張っていたのは間違いない。攻撃が弱くなったときは最終ラインから攻め上がって周りを鼓舞し、守備においてはファウルを取られることなく相手の攻撃を封じ込めてしまう。34試合中33試合で90分フル出場し(1試合だけ途中交代)、一度も警告を受けていない彼のプレーそのものが、味方から強い信頼を得ていたのは言うまでもない。

 アウォーズの当日、1月に行なわれるアジアカップの予備登録50人が発表された。

 年末には23人に絞られることになるが、驚かされたのは本田圭佑や岡崎慎司ら1986年生まれの24歳以下の選手が大半を占めたことだ。20代後半から30代前半にかけた働き盛りの中心選手はグッと減り、50人中半分以上の30人が24歳以下の選手だった。25歳、26歳の選手を含めるとその数はもっと増える。

 アルベルト・ザッケローニが4年後を見据えて、若い選手の才能を伸ばすことを重視しているのがよく分かる。

南アでの長谷部の役割を4年後に槙野が受け継げるか?

 ザッケローニのチーム編成が今後、若手中心に切り替わってくることは間違いない。そうなってくると若手のなかでリーダーが必要となってくるし、その候補として真っ先に槙野の名前が挙がることになる。

 彼はA代表の中心選手が参加しなかった今年1月のイエメン戦で、キャプテンマークを巻いてプレーした実績もある。前半を1-2で折り返しながら平山相太のハットトリックで勝利をもぎ取ったのも、槙野がチームを前に向かせていたからであろう。

 今回の南アフリカW杯でゲームキャプテンを務めたのは26歳の長谷部誠だった。ベテランと若手の間、つまり中堅の選手のなかからキャプテンシーを持つ長谷部が選ばれている。4年後となれば槙野は27歳。まさにベテランと若手をつなぐ立場になっている。

 槙野はザッケローニ体制になって継続的に招集されており、23人枠に入るのはほぼ確実と言っていい。

【次ページ】 アジアカップで試されるのは、真のリーダーシップ。

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槙野智章

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