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アジア大会初制覇も、
課題は山積のなでしこ。
~6月のW杯までに克服なるか?~ 

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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photograph byMiki Sano

posted2010/12/13 06:00

アジア大会初制覇も、課題は山積のなでしこ。~6月のW杯までに克服なるか?~<Number Web> photograph by Miki Sano

昨年、アメリカでの選手生活も経験したキャプテンの宮間あや

 広州アジア大会のサッカー競技で、日本が大会史上初の男女アベックVを飾った。

 なでしこの場合、決勝で下した相手は4年前のドーハ大会でPK戦の末に敗れた北朝鮮。しかも来年6月に女子W杯が迫る中でのアジア初制覇だった。

 だが決勝翌日のある一般紙の記事のように、『宿敵の大会3連覇を阻み、最高の形で借りを返した』などと、手放しで持ち上げるのはいかがなものかと思う。

 そもそも今大会の北朝鮮は、グループリーグでの対戦後に澤穂希(日テレ)が「以前の方が強かった」と漏らしたように北京五輪後、一気に世代交代を図っている。まだまだチーム作りの途上なのだ。それは日本が準決勝で当たった中国も同じで、今夏の監督交代で新チームとなったばかり。にもかかわらず日本はこうした若い2チームを、持ち前のテンポのいいパス回しで翻弄することができなかったのである。そして守備でも、スピードのある相手FWへの対応や左サイドバックの適材探しといった面で不安を残した。

海外組の増加で、ベストメンバーでの練習回数が減少。

 もちろん、広州でのパフォーマンスが決して満足できるものでなかったことは、何より選手自身が痛感している。今回主将を務めた宮間あや(岡山湯郷)は決勝戦直後、その原因と解決策について、

「北京五輪後にメンバー入りした若手と、前からの選手とで一緒にプレーできた時間が、まだまだ短い。代表としての練習や実戦をもっと重ねていけば、自然にパスワークなどのイメージは合ってくるはずです」

 と語った。

 確かにこの1、2年でアメリカやドイツなど海外でプレーする選手が増えた分、なでしこのベストメンバーが万全の体調で集まれた回数はわずかしかない。融通無碍なアタックの再構築は、W杯までの最終仕上げの中で行なわれるのだろう。顔ぶれさえ揃えば、それはさほど難しい作業ではないのかもしれない。

 しかしスピード対策と左DF探しは、なかなかにやっかいな問題だ。

【次ページ】 半年後の女子W杯、日本はイングランドなどと同組に。

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