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最速誇るマクラーレン、その速さの「秘密」とは。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2005/08/04 00:00

最速誇るマクラーレン、その速さの「秘密」とは。<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 完走19台、リタイアたった1台という稀に見る展開となったイギリスGP(1961年オランダGPでリタイア・ゼロ、全車完走記録がある)。マクラーレンのK・ライコネンは220km/hの“高速渋滞”にはまってしまい、選手権ポイント首位、ルノーのF・アロンソに11秒届かなかったが、12位スタートから3位まで追い上げる速さを見せた。

 名うての高速サーキット、シルバーストーンではチーム現有戦力がはっきり表れる。レース順位はマクラーレン・メルセデス、ルノー、B・A・Rホンダ、フェラーリ、トヨタ、ザウバー・ペトロナス、ウイリアムズ・BMW、レッドブル・コスワース……。5番目トヨタまでが同一周回を走り切れ、ザウバー以下は1周以上大きく引き離された。

 もっと細かく見てみると、トップ2の間には1周0.5秒差があったものの第2集団の3チームは0.1秒程度であって、B・A・Rホンダ以下はまさに混戦。この集団からウイリアムズがここにきて脱落しつつあるのが気になるが、それは6月末に発表された『BMW、ザウバー買収』の政治的な動きが絡んでいるから。来季以降、エンジン契約をどうするか。そうした交渉を続けながら目の前のレースに全力を傾注するのは難しい。故に、終盤戦トヨタばかりか、3戦分ポイントを計上できなかったB・A・Rホンダにも追い抜かれるのではと見る。

 僕が「マクラーレン・リターンズ」と彼らの復調の兆しを指摘したのは昨年の今頃のこと。ある英国の記者は当時「もし勝ったら裸でシルバーストーンを走るさ」と言い、今年それを実行した。MP4―19Bで昨年ベルギーGPに勝ったのだ。今季は発展モデルMP4―20を満を持して開発。やや信頼性に欠けるメルセデスV10ではあるが、イギリスGP投入最新仕様はパワフル。車体面で特筆すべきは中・高速コーナーでのハイグリップ・パフォーマンス。コースサイドに居て観察していると、5〜10km/hぐらい目に見えて速い。コーナー入り口も中も出口も。マシンが限界域でもフラット(水平)姿勢を保ち、下向きの空力ダウンフォースが強い。

 一番分かりやすい彼らの速さの「秘密」。それは中央に生える角のような“ウイング”。他のどのマシンにもまだない。

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