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25戦で21人の優勝者。戦国時代の明と暗。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

posted2008/09/25 00:00

 9月7日に最終日を迎えたゴルフ5レディスは、藤田幸希が今季初優勝、通算3勝目を上げた。今季の女子プロツアーは25戦目で、21人目の優勝者が出たことになる。不動裕理、古閑美保、福嶋晃子、全美貞が2勝した以外は、すべて1勝というかつてない戦国時代だ。

 優勝者の平均年齢は、25.38歳。最年少は20歳。韓国の申智愛と、有村智恵、そして8月のNEC軽井沢72ゴルフで初優勝を果たした原江里菜である。

 原は、東北福祉大在学中の学生で、東北高で宮里藍の2年後輩にあたる。ジュニア時代から活躍し、'05年には世界ジュニアゴルフ選手権で団体優勝、日本ジュニア選手権15歳〜17歳の部で優勝など数多くのタイトルを獲得している。

 2年前、東北福祉大1年のときに、プロツアー登録をした。昨シーズンは30試合出場し、獲得賞金が約4000万円、賞金ランキング19位で、楽々と今季のシード権を得た。

 今季は2位が1回、5位が2回と優勝争いをしていたが、なかなか勝てないでいた。軽井沢での優勝のきっかけは、パッティングだった。アマチュア時代は、面白いように入っていたパッティングも、プロツアー選手になってから、いまひとつ決まらない。そんな原が、ふと気がついたことがあった。プロツアーでは、帯同キャディにラインの読みを委ねていた。けれども「アマチュア時代のように自分でラインを読んで、自分で決めてみよう」と思ったことから、調子を戻したのである。自分で読み、決断することで、迷いがなくなったことが功を奏したのだろう。

 以前も書いたが、今、女子ゴルフ界が活況を呈しているのは、次々に新しいスターが生まれてきたからだ。高校生で優勝し、プロ転向後もすぐに活躍した宮里藍を同期の横峯さくらが追いかけ、昨季は1年下の上田桃子が続いた。そして、今季は2年後輩の原がブレイクした。今年6月、初優勝を果たした有村も東北高出身で原と同級生である。

 ただ、25試合で21人の勝者が出るというのは、圧倒的な強さを持つ選手がいないということだ。誰が勝っても不思議はない、というゲームは面白いけれど、競技としては未成熟ではないか。王者がいて、それを追いかける者が切磋琢磨してこそ、進歩があるのではないだろうか。

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