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角界が揺れる今、
親方衆よ立ち上がれ! 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

PROFILE

posted2008/09/25 00:00

 相撲界を未曾有の激震が襲っている。不祥事の連鎖が止まらないのだ。朝青龍を巡る騒動、時津風部屋の傷害致死事件の傷も癒えぬ中で、現役ロシア人関取による大麻取締法違反事件が起き、ついに北の湖理事長の辞任という事態に至ったのだ。約700人もの力士全員の私生活を管理することなど不可能なのかも知れないが、規律をただすことの出来ない日本相撲協会には、抜本的な指導教育体制の見直しが急務である。

 最初に大麻所持容疑で逮捕された若ノ鵬は間垣部屋所属。巨体を活かして順調に番付を駆け上がり、将来を嘱望されていた力士であった。その若ノ鵬を部屋に紹介した露鵬(大嶽部屋)と、弟の白露山(北の湖部屋)にも、抜き打ちの尿検査で後日、大麻の陽性反応が出たのだ。

 若ノ鵬の、勝てばいいという相撲内容には、非難も多かった。ファンの期待を無視した八艘飛びやガッツポーズの連続。その独りよがりの性格は様々な問題を起こした。白露山と同様、平素は穏やかな性格といわれる露鵬も、勝負が決まった後なのに千代大海を睨みつけ、その後風呂場のガラスをたたき割って厳重注意を受けたり、カメラマンに対して暴力を振るったりという事件を起こしていた。

 外国人力士たちにとって、日本の相撲界で出世し大金を得ることは、ジャパニーズドリームに違いない。しかし、それは単なる勝敗による結果に過ぎない。出世することはプロである以上当然重要ではあるが、相撲道という言葉が示すとおり、相撲という修行を重ねて究極の心技体を獲得することこそプロの本筋。相撲界が修行の場であるということを忘れたかのような振る舞いには、断固たる厳しい指導が不可欠である。

 自らの部屋に所属する力士からも陽性反応が出た以上、北の湖理事長の辞任もやむを得まい。解雇処分も当然であろう。しかし、それ以前の問題行動の際に協会全体でもう少し腰を据えた指導がなされていたら……。弟子に対し、相撲の指導と同じように、自分自身の歩んできた道を振り返りながら、力士としての道、人としての道を真剣に話し合う機会を是非とも各親方に持って欲しい。親方と弟子から本当の親子へ。私は、親方の意識改革こそ負の連鎖を断ち切る第一歩と考える。親方衆よ、立ち上がれ!

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