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テスト激減の果てに
モトGPを待つ未来とは。
~縮小するメーカーの存在感~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2010/01/07 06:00

テスト激減の果てにモトGPを待つ未来とは。~縮小するメーカーの存在感~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

最終戦バレンシアGP直後に行なわれたテストの模様。ライダーはA・ドヴィツィオーゾ

 不況の影響で、モトGPのテストが大幅に減らされた。最終戦バレンシアGPの直後に行なわれた11月9日からの3日間を最後に、来季からモトGPクラスにスイッチするルーキーたちの特別テストを除き、2月上旬のマレーシアまで約3カ月間は事実上のオフとなった。12月から1月まではテスト禁止期間だが、そんなルールが必要ないほど動きのない日々が続く。

 そもそもは、過熱する開発競争でオフシーズンのなくなったライダーやスタッフのために、テスト禁止期間を設けたのが始まりである。その後、ミシュランとブリヂストンの間でタイヤの開発競争が激しくなり、高騰するコストを抑制するためにテスト日数を制限した。

 そこまでは、バイクメーカーにとって勝つために資金を存分に投入出来る時代だったが、近年のテスト削減はコスト抑制が主眼となっている。来年のテストは解禁となる2月から4月の開幕戦までの間に、わずか3回6日間だけ。数年前の3分の1まで減少することになる。

モトGPの舵取りは主力メーカーからプロモーターの手に。

 テスト禁止期間の拡大と日数の削減に象徴されるメーカーの予算縮小は、グランプリを運営統括するプロモーターのドルナ社にも大きな影響を与えている。モトGPクラスの台数低下を防ぐため、メーカーの支援を受けられず、スポンサー獲得もままならないプライベートチームに資金を投入しチームを支えなくてはいけないからだ。

 しかし、そんな状況がいつまでも続くわけもなく、ドルナ社はレース界を活性化させるため次々とアイデアを提案し実行に移している。12月11日に発表された2012年からのモトGPクラス1000cc化もそのひとつで、これまでメーカーが反対していたコストの安い量産エンジンの流用を目的とするものだ。

 メーカーはレース参戦を続けるため、そして撤退するメーカーが出ないように様々なルール変更を実施してきた。しかし、レースを活性化させたいプロモーターにとって、舵取りをメーカーに任せることはできない状況になっている。

 今オフのような状態がいつまで続くのだろうか。大幅に削減されたテスト日程は、これまでグランプリ界を支えてきたメーカーの影響力が、大幅に低下していることを意味している。

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