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新カテゴリー“モト2”の
存在意義と可能性。
~ワンメークエンジンでコスト削減~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2010/02/02 06:00

新カテゴリー“モト2”の存在意義と可能性。~ワンメークエンジンでコスト削減~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

昨年11月のテストで順調な開発を示したモリワキMD600。パドックでの注目度は満点

 WGP250ccクラスに代わる新カテゴリーとして、今年から「モト2」がスタートする。エンジンをホンダの4ストローク600cc、タイヤをダンロップのワンメークとし、車体はレギュレーションの範囲内で自由に造ることができる。タイヤワンメークはすでにモトGPで実施されているが、エンジンもとなると、グランプリの歴史でも初の試みとなる。

 グランプリが始まった1949年から'60年代までは、4ストロークエンジンが全盛だった。だが'70年代以降は、軽量コンパクトでハイパフォーマンス、低コストなどの理由で、2ストロークが4ストロークを凌駕した。その一方、市販車においては、厳しい排気ガス規制に対応すべく、2ストロークの車両が激減。その影響はレース界にも波及し、トップカテゴリーの500ccクラスが4ストローク化され、'02年にはモトGPクラスが誕生することになった。エンジン性能の差が出にくい4ストローク化によりレースの面白みが薄れることも危惧されたが、日本メーカーに加えドゥカティ、アプリリアも参入してモトGPは活況を呈した。

参戦コストの大幅削減なるも、資金繰りに苦しむチームは多数。

 モト2にも多くのメーカーの参戦が期待されたが、経費削減、不況などの理由でどこも参戦を表明しなかった。その結果、プロモーターのドルナが先頭に立ち、コンストラクターにとって最も困難なエンジン製造をメーカーに頼るワンメーク制を導入することで、モト2を実現にこぎつけたのだ。

 すでに日本のモリワキ、TSRのほか、ヨーロッパの有力コンストラクターもマシン製作に名乗りを上げた。価格はサスペンション、ブレーキ、マフラーなどを含むコンプリートの状態で700万円前後。車体だけなら500万円前後という設定で、250cc時代より大幅にコストを抑えることに成功している。しかしそれでも、不況の影響でスポンサーを獲得出来ず、マシン購入に四苦八苦しているチームが多いのが現状だ。

 厳しい時代にスタートすることになったモト2だが、ワンメークエンジンのレースがファンに受け入れられるかどうかに大きな注目が集まっている。もし、モト2が成功するようなら、これからのレース界の動向に大きな影響を与えることになりそうだ。

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