日本人として8年ぶりにWGP250ccクラス王者になった青山博一(ひろし)が、タイトルを決めた翌日からモトGPのテストを開始した。ただし、来季所属することになる新生「インターウェッテン・ホンダ・モトGP・チーム」はまだ体制が出来ておらず、青山が今季所属した「スコット・レーシング」のマシンを借用しての初走行となった。
「250とモトGPの最大の違いはブレーキ。ちゃんと止まれないと、それに続くコーナーリング、立ち上がりが決まらない。まずは、きちんと止まれることを目標に3日間を走りました」
最初の2日間は、これまでと同じ人差し指と中指2本でフロントブレーキを掛けていたが、ブレーキに掛かる圧が弱く、カーボンブレーキの熱が上がらない。そこで3日目には薬指を足して3本でブレーキを掛けることにした。これで制動力は一気にアップし、そのフィーリングを掴むための走り込みとなった。
250cc時代のライバルたちとのバトル、ふたたび。
青山は石橋を叩いて渡るタイプ。「叩きすぎて割っちゃうくらい」と笑う。ひとつひとつの課題を着実にクリアし、確実にタイムを上げて行く。モトGPマシンに乗り換えても、そのスタイルは変わらなかった。
来季、250ccからモトGPクラスに上がるのは、青山とタイトル争いをした上位4選手。その4人の中で連日最下位と地味な走りだったが、まったく気にする素振りも見せない。初乗りということで電子制御は使わず、モトGPのビッグパワーに慣れようと努力した。
「モトGPマシンはどう? と聞かれても、いままでイメージしたことがないので、どう答えていいか分からない。ただ、ハンドリングはまったく違う。ゆっくり走っているときは軽いけど、ペースを上げていくと切り返しがものすごく重くてスピードを感じた。250とは明らかに違う何かを要求されているようだった」
青山のコメントは、ひとつひとつがモトGPマシンのポテンシャルを想起させるものだった。だからチャンピオンになれたのだと納得させる的確さがある。来季は、J・ロレンソ、C・ストーナー、D・ペドロサといった、250cc時代に青山が散々バトルしたライバルたちと対決する。「彼らと戦うのがすごく楽しみです」と語る青山の挑戦に注目したい。
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