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センターバック不足の解決策は中盤にあり。 

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浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

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posted2007/02/22 00:00

 先月、大阪で開かれたフットボールカンファレンスにて、FIFA技術委員長のオジェックが、ワールドカップ・ドイツ大会の分析結果を発表した。

 それによれば、準決勝に進出した4カ国のDFには、いくつか共通点があったという。いずれも4バックであったことはもちろん、2枚のセンターバック(CB)が「ボールを奪えるだけでなく、ボールを使ってプレーに参加できた」。要するに、世界トップのCBは守備だけできても務まらない、ということだ。

 この分析を待つまでもなく、オシムは、このポジションでの日本の人材不足を指摘している。残念ながら、日本のCBには、守備能力に加え、ボールを扱う高いスキルを持った選手が非常に少ない。

 というのも、日本の場合、育成年代で、スキルの高い選手はMFに集まる傾向がある。結果、中盤はタレントの宝庫となり、日本の売りとなった。だが、その裏には、CBは相手の攻撃をはね返せばいい。スキルは二の次。そんな発想があったことは否定できない。攻撃の起点としてのCB、という認識は欠けていた。

 CBがテンポよくパスを回し、どれだけ相手の守備ブロックにズレを作り出せるかは、攻撃の組み立ての第一歩である。とりわけ、日本のよさである俊敏性を生かそうと思えば、その重要度は高い。

 昨年の日本代表では、阿部勇樹、今野泰幸がCBに起用された。CBの人材不足を、中盤の選手で補おうとしたわけである。いずれも本職はボランチだが、その分、ボールを扱うスキルが高く、攻守で機動力に富む。柔軟な守備だけでなく、攻撃の組み立て、いわゆるビルドアップでも実に有効な起用となった。昨年11月のサウジアラビア戦(札幌)でのゴールが、それを証明している。

 日本代表と同様の起用は、昨年のJ1でも見られた。鹿島の青木剛、広島の戸田和幸、森崎和幸という、本来中盤の選手がCBを務めていたのである。さらに今年は、冒頭の分析を担当したオジェックが浦和監督に就任。阿部をどう使うのか、その起用法も興味深いところだ。

 今後、日本代表でも、新たなCBが招集されることがあるだろう。だが、その候補は本職だけとは限らない。中盤の人材には比較的余裕がある今、第二の阿部や今野が出てくる可能性は十分にある。

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