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ペルー戦も招集なし?海外組の胸中を探る。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2007/03/08 00:00

 3月24日の国際親善試合(ペルー戦)を間近に控えたサッカー日本代表。川淵三郎キャプテンは「3月は欧州組も招集するだろう」と度々語り、中村俊輔、高原直泰、中田浩二、稲本潤一の4選手の名をあげている。

 しかし、当のオシム監督は、なかなかそれを認めようとしない。

 「ジョーカーを早い段階で使うのはよくない。切り札は適切なときに使うべき」「欧州と日本との距離は遠く、所属チームを不在にすることの危険性は高い」と繰り返し、「欧州組をいつ呼ぶのかと聞かれないチームを早く作ること」とも話す。

 ドイツW杯で苦汁をなめ、4年後へと思いを新たにしたものの、代表に招集されない欧州組は、今どうしているのだろうか?

 「監督にはそれぞれ考え方があって、それに沿ったメンバーを選ぶ。その中に入っていないんだからしょうがないという感じ。でも、それで終わりたくはないから、今は自分のクラブで頑張るだけ」 

 昨年末、そんなことを語っていた中村俊輔は、セルティックをチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出に導き、スコットランドリーグでも首位を独走中。クラブでの活躍が代表復帰につながるという考えは自然だし、健全だ。

 トルコの稲本は上位争いに貢献し、ドイツの高原は1部に昇格して2年目のチームのリーダーとして残留争いを戦っている。ザルツブルクに移籍した宮本恒靖と三都主アレサンドロは、新天地でのチャレンジに意気揚々としていた。

 一方、ルマン3年目の松井大輔は、中盤のメンバーが代わったチームのなかで、思うようなプレーができず、自問自答の日々を送っている。レギュラー取りに苦戦中の小笠原満男や大黒将志は、まだ代表を語れる立場には至っていない。

 それぞれの境遇には温度差があるが、一様にオシムジャパンについて語るときには口が重い。それも当然で、彼らが得ている代表の情報は、テレビ放映された試合とメディアの報道に限られ、一般人と大差はない。現代表の友人から話を聞くことはできても万全ではないだろう。

 スイスのバーゼルで今季センターバックとしてレギュラーを獲得し、'07年からは左サイドバックにポジションを変えた中田浩二もまた、日本代表との距離感に一抹の寂しさを感じているように思える。

 「ここ(欧州)でプレーしなくちゃわからないことって、本当にたくさんある。そういうことを代表でプレーするなかで、チームにフィードバックできると思う。だけど呼ばれていない段階では何も言えないよね。代表もW杯アジア予選に向けて、チームを作っていくわけだから、いつまでも呼ばれないっていうのもどうなんだろう?」

 日本で試合中継のないスイスリーグで戦っていることについては、「監督が僕の試合を見ているか? それは僕にはわからない。見てもいないのに代表に呼ぶわけはないと思うから、見ていることを信じたい」と、強い口調で応えた。小野剛技術委員長の視察から、もう数カ月がすぎているのも気がかりだが……。

 もちろん日本代表のためだけにサッカーをやっているわけではない。しかし彼らの多くが、代表でさまざまな経験を積み成長してきた。宙に浮いたままの立場が気にならないわけもない。

 欧州組の招集には約2週間前に所属クラブに招集の意向を示さなければならない。指揮官の最終判断は?

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