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【福井県坂井市】今年で100回目を迎える献上越前がに
posted2026/01/19 16:35
近く献上、魚問屋ら「極寒のこの時期が一番美味い」

姿カタチも、色合いも立派な三国港水揚げの越前がに。紫色のタグは、献上品質を証明する三国港オリジナルのタグ。黄色いタグは福井県産を示すタグ
全国唯一 大正時代から続く、ズワイガニ献上の三国港
美食都市・福井県坂井市を代表する食のトップブランド「越前がに」に、福井県産を証明する「黄色いタグ」とは別に、もうひとつ三国港産の越前がにだけの「紫色のタグ」があるのをご存じだろうか? 水揚げ時の重さ1.1kg以上の良質の越前がに一杯一杯に、漁業者が丁寧に取り付ける。タグには「献上品質 越前がに」の文字。つまり、「献上品質」とは、全国で唯一、坂井市三国港産だけが行っている皇室への献上ズワイガニ(越前がに)と同じ品質である…を証明するタグだ。その「皇室献上越前がに」は、毎年、最も寒さが厳しい1~2月に行われ、今年も予定では1月20日過ぎごろ、献上される。三国港からの献上は大正11(1922)年から長く続いており、今年はちょうど節目の100回目となる。市内の漁業者や越前がに取扱店の関係者には、この100年も続く献上がにに携われることが大きな誇りとなっている。それだけに関係者は「本当の越前がにが美味いのは、寒さで身が締まるこの1、2月なんだよ」と口をそろえる。低い水温で引き締まった身、脂がのった濃厚なミソ…至極の越前がにを食べるなら「これからが本番」と言えそうだ。
そもそも、福井県によると、三国港から皇室献上がにが始まったのは1922(大正11)年とされる。それから100年余り、途中、天皇崩御や戦時中など5回を除いて、毎年1、2月に行われてきた。現在 献上を行っているのは、田島魚問屋、大丸水産、伊野魚問屋、やまに水産の三国魚商組合の4社。この4社が持ち回りでカニを塩ゆで調理し、天皇家、上皇家、秋篠宮家、常陸宮家、三笠宮家に献上している。

昭和7年の献上越前がにの模様。左下に、献上されたと思われる脚と株だけの多数のカニが写っている=「大丸水産」所蔵
ただ昔の記録をひも解くと、福井県からの献上は、明治42(1909)年に当時の知事が丹生郡四箇浦(しかうら)村(現越前町)で捕れたカニを送ったとの新聞記事も残る。ただし、県にはその記録は残っておらず、なぜ三国港産を送るようになったかの経緯は分かっていない、という。

昨年2月の「大丸水産」での皇室献上越前がにの発送前の準備の様子
昭和初期に創業した鮮魚卸しの老舗「大丸水産」の澤崎一郎代表社員(74)によると、自宅に残る昭和7(1932)年の写真や初代の祖父らから聞いた話から想像すると、「おそらく当時は、雄ガニのがに面(甲羅)やミソは捨てて、脚と株の部分だけを竹かごに入れ、貨車で運んだのではないだろうか。当時は冷凍技術や運搬手段も限られるから、カニミソなど内臓が腐るのを心配したんだろう」と語る。
50年近くもカニゆでに携わってきた澤崎さんは「献上がにの取り扱いは、そりゃあ気を遣いますよ。特に湯で加減と味付けの塩加減だね。ただ、これはもう長年の勘で判断する。いいカニかどうかは、大きさもスタイルも私らは目利きできる。だから4軒とも間違いないカニを出しているよ。だって100年も続く献上ガニに何代もわたって携わって来たのことは、私らの商いにとっても名誉なことだからね」と話す。
さらに今年ちょうど100回目の献上がにの調理を受け持つ「やまに水産」の山野仁司代表取締役(56)は「うちは(献上がにを担当したのは)平成元年からなんですが、大変名誉なこと」と話す。さらに献上の準備で、山野さんが特に吟味するのは、調理以上にカニの選別だと言う。「底曳船の船長さんらに、献上するクラスのカニを出してもらい、さらに自分の目で確認します。腹の部分が黄色みを帯びているか、甲羅など傷はないか、身の締まりはないか…。8隻の船から万遍なく選びたいが、過去には結果として、当てはまるカニが無かったということもありますよ」と細心の注意を払うと言う。さらに、この時期のカニについては、「やっぱりね、解禁直後より、水が冷たい分、身も締まるし、ミソの固まり具合も違う」と越前がにを大量に扱う専門店だけに、一般のお客様にも「この1、2月のズワイは、特におススメしたい」とも話す。

今年、ちょうど100回目の献上越前がにの調理を担当する「やまに水産」の山野仁司代表取締役
一方、三国港の献上がには、地元の漁業者にとっても大きなプライドだ。カニ漁の担い手の漁業者でつくる三国港機船底曳網漁業協同組合は、他のカニと差別化を図ろうと18年前から、1.1kg以上で姿カタチも申し分ないズワイガニにだけ、紫色で高級感あふれる「献上品質 越前がに」タグを付け始めた。このタグ付きの越前がには、1シーズンの三国港での漁獲量の5%ほどで、代表理事組合長の平野一美(70)さんによると「1シーズンに、このタグが付くカニは3,000杯ぐらい、それだけいい形のカニやね。漁師なら網を揚げた時に、見たら『こいつは献上品質や』とすぐに分かる。いい値段が付くからね」と言う。今シーズンの11~12月は、三国港で雄のズワイが18トン余りとほぼ安定した水揚げ量をキープ、「今シーズンはやや型が小さいカニが多いかな」と平野さんは見るが、献上品に値するカニの確保については「まず、大丈夫でしょ」と笑う。
ズワイガニの皇室への献上は、全国でも坂井市の三国港産だけが認められている。それだけに地域には、漁業者、魚問屋、さらに民宿・旅館と一体となった取り組みで長年、「最高のブランドがに」を守って来たという自負もある。平野さんも「組合でも苦労して『献上品質』のタグまで作って、その品質をアピールしてきた」と話し、それはこの極寒時期に市場に出回るカニに、「自信あり」の裏返しでもある、という。「寒の内はね、カニは自ら栄養を蓄えようと、脂を体内にためるから、みそも旨味たっぷりのはずだよ」と太鼓判を押した。
福井では越前がには解禁直後の11月にマスコミの報道も集中し、年が明けると、カニシーズンが終わったかのように思われがちだが、漁期は3月20日まである。坂井市では、越前三国町を中心に30軒以上の旅館、民宿、料理店で越前がにを提供しており、この厳冬の時期こそ「越前がにの本物をぜひ味わってほしい」とアピールしている。
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