新旧二面性を持つ球場――85年もの歴史に幕を閉じた旧ヤンキースタジアムに代わり、16億ドルをかけて完成した新球場を訪ね、そんな印象を持った。
今季に入り、新球場は常に話題の的だった。記者同士では「行ってみた?」という会話が日常茶飯事。テレビでも新球場を探訪するレポートが流れるあたり、さすが“聖地”と称された特別な場所だ。すでにプレーした選手からは「足を踏み入れた瞬間、前の球場にいるかのような錯覚に陥った」という感想を聞いていた。
伝統の継承か。それとも過去の模倣か?
実際に旧スタジアムを踏襲した部分は多い。サイズや形状は受け継がれ、外観も先代を十二分に想起させる設(しつら)えになっている。一方で新しい設備も満載。野球を文化と自認するアメリカらしく、絵画を販売するギャラリーやメモラビリア(記念品)店も軒を連ね、老若男女が飽きない工夫がそこかしこに凝らされている。
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photograph by Yukihito Taguchi