ロジャー・フェデラー(スイス)が27歳で史上6人目の生涯グランドスラム(四大大会全制覇)を達成し、全仏オープンの幕が閉じた。表彰式でセンターコートに流れるスイス国歌を聴きながら、男子シングルスの覇者は静かに涙を流した。会見では「自分の成し遂げたことを誇りに思う」と語り、喜びを噛みしめた。
もうしばらく続きそうなフェデラー、ナダルの2強時代。
無敵と思われたフェデラーにも凋落の兆しがあった。1月の全豪では決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に惜敗し、悔し涙を流した。このところ世界ランク3位のアンディ・マリー(英国)や4位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)にもなかなか勝てず、フェデラーの名前を聞いただけで相手が震え上がったのは過去の話になっていた。引退の時期を考え始めているのではないか、という見方さえ広がり始めていた。だが彼は踏みとどまった。この優勝でピート・サンプラス(米国)の四大大会通算最多優勝記録「14」に並び、史上最強を改めて印象づけた。
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photograph by Hiromasa Mano