あと少しだけ、その日のメルボルンが涼しかったら、セリーナ・ウィリアムズ(米国)は全豪の栄冠を手にしていなかったかもしれない。
セリーナとスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)の準々決勝が行われた1月28日は、最高気温43度の猛暑だった。試合は、クズネツォワが第1セットを先取したところで「猛暑対策ルール」が適用され、一時中断。開閉式の屋根を閉めたのち再開し、そこから2セットを連取したセリーナが逆転勝ちを収めた。中断が試合の流れを変えたのだ。
タフさが売り物のクズネツォワにとって、炎天下はセリーナを破る好機だった。会見でクズネツォワは「屋根を閉める前と後では、別の試合だった。私は屋根を開けたままでも快適だったのに」とまくし立てた。一方のセリーナは、空調も入って涼しくなったコートで息を吹き返し、結局、優勝のゴールまで突っ走った。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Hiromasa Mano