「あ〜あ」
スタンドからため息がもれた。日本選手権1回戦の近鉄×慶大、前半16分に慶大のトライが認められた後、リプレーがスクリーンに映し出されたときだ。大画面には、颯爽とインゴールに滑り込む慶大CTB濱本将人が右手で掴んだボールが、グラウンディング寸前、近鉄FB坂本和城のタックルを腕に受け、見事にノックオンした場面がデカデカと映し出されていたのだ。
こんなとき、W杯などの主要国際試合なら主審はすぐにビデオ確認を要求。映像判定室に控える審判が複数の角度からの映像を確認し、適切な判定のための助言を主審に送る。だが日本にはそのシステムが導入されていない。全試合で実施するには設備、予算、マンパワーのすべてが足りず、一部の試合に導入しては不公平だから、というのが理由だ。
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photograph by Nobuhiko Otomo