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W杯招致の失敗を、糧にしてとるべき策は。

2009/03/08

 11月18日午前1時過ぎ。日本ラグビー協会の会議室には、深夜というのに50人以上の報道陣が詰めかけていた。地上波全局とCS併せて8台のテレビカメラは、2011年W杯日本招致決定!の瞬間を捉えようと熱気を発していた。

 だがW杯は日本にこなかった。象徴的だったのはその連絡だ。現地からの連絡を受ける電話機には小型マイクが装着されていた。翌朝の番組で、国際電話で届いた「決まりました!」の声を放送するため、テレビ各局のスタッフが協力し合って何時間も前から準備したものだった。

 1時47分。待ちかねたベルが鳴る。だが電話機を取った日比野招致委員長は、ボタンを押し間違えて電話を切ってしまった。1分後、今度は別の電話が鳴る。マイクの装着されていないその電話機を坂本広報委員長が日比野氏に渡し、日比野氏は「どうぞ」と報告を促す。テレビ局のスタッフたちが息をのんだ……。

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photograph by Shinsuke Ida

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