'94年5月1日、イモラ・サーキットの不幸な事故から10年の月日が流れた。世界中のファンの心で、今も喪失感は消えない。
'04年のサーキットでは佐藤琢磨がドライブするB・A・Rホンダが疾走し、琢磨の活躍、ホンダの躍進が人々の心をフォーミュラ・ワンに呼び戻す。'89年以来、グランプリ現場に足を運ぶ取材者でもある訳者、今宮雅子は言う。
「佐藤琢磨の活躍でF1を見始めた方々は、アイルトン・セナのドライビングを目にしたことがない。そういう方から尋ねられるんです。『セナはどういう人だったんですか?』と。だからこそ、ジャーナリスト、フロワサールが、セナをきちんと描いたこの本をファンの元に届ける必要があると思いました」
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photograph by Tamon Matsuzono