「一度も頭をかすめたことがないといったら嘘になる。でも、それはいま考える必要のないこと。最優先されるのは、目の前の試合をいかにして勝つかということだ」
勝利数を始め、投手成績の多くでベスト3に名を連ねるクリス・カーペンターは、サイ・ヤング賞に関する質問が飛ぶと、判で押したように答える。
昨年の『カムバック賞』以外、賞やタイトルとは無縁の30歳は、マウンド上だけでなく、クラブハウスでも感情をのぞかせることはほとんどない。
カットファストボールやスライダーなどを巧みに操り、打たせて取ることを基本にしながら、三振を取りにいくべきところではきっちり取る。そんな隙のない完成度の高い投球ぶりは、カーペンターという人物像そのものという感じがする。
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photograph by Yukihito Taguchi