ジュスティーヌ・エナンの引退には、さすがに驚いた。あまりにも唐突というか、引退の時期として中途半端すぎて、外電で一報を聞いたときは、今季いっぱいか、まだ先の話かと思ったほどである。しかし、エナンは、母国ベルギーにある自分が経営するテニスクラブで5月14日に会見を開き、「すばらしい(テニスという)冒険は終わった。これ以上、テニスで望むことはない」と、その日限りでの引退を発表した。
我々が気がついていなかっただけで、彼女は半年前から考え始めていたという。昨年11月のツアー最終戦で優勝を飾ったにもかかわらず、「その時以来、テニスへの情熱を感じなくなった」というのだ。昨年は全仏、全米を制し、世界1位で、最終戦にも優勝という最高の1年だっただけに、簡単には信じられない。彼女の中で、何が大きく変化したのだろう。
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photograph by Hiromasa Mano