あれは何だったんだ? そう思っている方も多いはず。今夏、1カ月に及んだ星野仙一・阪神SDの巨人監督騒動である。取材にあたったマスコミの一人として、自戒の念を込めて振り返ってみたい。
騒動の発端は8月8日発売の『週刊現代』。大学時代からの友人の記者が執筆者だった。同11日には日刊スポーツも1面で〈巨人、来季監督候補に星野SD〉と報じた。同紙は星野氏が現役引退後、専属評論家をつとめるなど関係が深いとされている。2つの記事に星野氏が抗議したという話も聞こえてこない。何かある。そんな推測を裏打ちするかのように、星野氏は「光栄」という言葉を使い、巨人の渡辺恒雄会長は「立派な監督」と語り、報道は一気に過熱する。折りしもセ・リーグは阪神と中日が優勝争いの真っ最中だったが、スポーツ紙の1面を飾ったのは“星野”の二文字だった。
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