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横浜・牛島新監督の冷静な判断力に注目。

2009/03/08

 「新人監督は何か自分の色を出したくなるものです。でも何もせずにコーチに任せて、じっとしている姿にしたたかさを感じました」

 横浜の関係者は、秋季キャンプでの牛島和彦新監督についてこう語っていた。これまで何人もの監督を見てきたフロントからすれば、特別な要求をしてこない牛島の態度に、かえって違和感を感じたのかもしれない。

 中日時代から選手からもファンからも好かれる存在だった。星野仙一監督(現阪神シニアディレクター)が落合博満(現中日監督)とトレードしたのも、地元での人気としたたかさで、いつの日にか牛島にその地位を取って代わられると考えたからでは、と囁かれたりもした。ロッテでは故障に苦しんだが、その経験を生かして、治療についての理論を身につけ、若手投手たちの駆け込み寺的存在となっていた。評論家に転身後も、キャンプ視察時には、故障持ちの投手が必ず相談に来るほどで、横浜の斎藤隆、川村丈夫も牛島の信奉者。それだけに「気心が知れている選手が多くてやりやすいでしょう」と聞いてみたところ、意外な答が返ってきた。「今までの付き合いとは別、これからは使えるかどうかが全ての判断基準」と言うのだ。冷静な判断力は、牛島の特長でもある。横浜を日本一に導いた権藤博監督も就任時には「投手コーチを任せられるのは牛島しかいない」と頼み込んだ。しかし、熟慮の末「子供の学校の問題もあるし、家のローンも残っているので」と断ったのだった。

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