'02年7月下旬から現在に至るまで、全試合ストップウオッチ持参で野球を見ている。主な計測目的は打者走者の一塁到達タイム。これをするようになってから「50m5.8秒」のように一見真実らしく見える数字が、実際には選手の走塁能力を映し出していないことがわかった。重要なのは試合でどんな走塁をしたのかということ。ストップウオッチはその要望に100パーセント答えてくれるアイテムで、藤村大介(熊本工・遊撃手)はストップウオッチが弾き出す数値と試合でのパフォーマンスを証明する最高のモデル(被験者)になった。
昨年夏以降、藤村が出た試合を9試合見ている。'06年夏甲子園、秋の九州大会、明治神宮大会、そして'07年春選抜甲子園大会である。ストップウオッチで計測可能だったのは33打席。このうち藤村は30打席で「俊足」と認められる一塁到達タイムを記録している。これはストップウオッチ持参で見た約1250試合を通じて圧倒的ナンバーワンである。
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