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“リングの職人”の勇気ある挑戦。

2009/03/08

 観客を一瞬たりとも退屈させない──日本のボクシング界で、この男エドウィン・バレロ(25歳)の評価は急速に高まりつつある。

 デビュー以来21連続KO勝ち(うち1ラウンドKOは19回)。これがバレロでなく他のボクサーの記録であれば、眉つばものだが、そうではない。4年間の予定で東京に住むベネズエラ人はすでにWBA世界S・フェザー級のチャンピオンであり、72秒で終わった正月の初防衛戦でも日本のファンに知的な殺し屋ぶりを強く印象づけた。

 今やバレロの試合は一級のスリラーである。相手を罠に追い込むように、グイグイとプレッシャーをかけ、反撃に出んとするところ、見計らったように正確なカウンターを浴びせる。アッという間のKO劇。この調子で倒し続けると、やがて対戦を希望して手を挙げる命知らずが現れなくなるのではないかと心配したくなる。それほど、強い。

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