#640

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切なさと彼らしさと。服部尚貴の“卒業”。

 肉体を武器にライバルと戦うスター選手はあこがれの存在だが、人間である以上、永遠に同じ地位にあり続けることはできない。どんなに優秀な選手であれいつかは引退という残酷な局面を迎えざるをえない。その際の思いを外からすべて推し量ることはできないけれども、ひとつの時代が終わるという事態にはどこか寂しさが漂うものだ。

 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第8戦の開催を前に、ダンディライアンに所属してシリーズを戦ってきた服部尚貴がF・ニッポンからの引退を表明した。今季の服部は、ここまで必ずしも上位争いをしていたわけではない。だが、その開発能力は依然としてきわめて評価が高く、速さが特別に衰えたようには思えなかった。まだまだ戦えるはずの服部の引退には、あまりにも唐突で驚いた。それとともに、これまで直面した有力選手の引退とは少々異なる感慨にとらわれた。

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