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「野球って不思議な競技で」高津臣吾が語るスワローズ愛、短期決戦の怖さ、“メジャー挑戦”村上宗隆への期待「日本の4番ですから」《監督退任インタビュー》

2025/11/09
2020年からヤクルトで監督を務めた高津
育成と勝利を両立しながらヤクルトを20年ぶりの日本一、2度のリーグ優勝へと導いた。情熱を燃やし続けた6年間、目指してきた監督像とは。(原題:[退任監督インタビュー(1)]高津臣吾「来年は神宮のスタンドで」)

 監督在任中は、あまり眠れないと聞いていた。シーズンが終了し、監督を退任したいま、安眠はできているのだろうか?

「それが、監督を辞めてからも寝つきが悪くて。監督業は関係なかったみたい(笑)。どうやらショートスリーパーのようです」

 高津臣吾。2012年に現役を引退した後、'14年から古巣のスワローズで一軍投手コーチ、二軍監督を経て、'20年に監督に就任。'21年には日本一に輝き、翌年はセ・リーグ連覇を達成した。今季は主力の村上宗隆をはじめとしてケガ人が続出し、苦しい戦いを強いられ、6位となった。

「この6年間を振り返ると、本当にいろいろなことがありました。長くやらせてもらったと言うことも出来るし、アッという間だったという感覚もあります」

 '21年、'22年のリーグ連覇はチームの金字塔だ。二軍監督時代から育ててきた選手たちと、青木宣親、石川雅規らのベテランとの化学反応が強さを生んだ。

「投手陣は先発、ブルペンに右、左がともに揃っていて、いろいろな角度から攻めの采配ができました。打線の方では出塁する、つなぐ、そして返すという役割分担が明確で、ベテランと若手のバランスも良く、得点力がありました」

 日本シリーズは、2年続けてオリックスとの対決。相手には山本由伸、宮城大弥の先発二枚看板がいた。

「'21年の日本シリーズの時、バファローズの戦力分析をしてみて、山本由伸、宮城のふたりから、なかなか点は取れないと思ってました。僕自身、相手の強い先発には、こっちも強い先発をぶつけていくという発想だったので、第1戦は奥川(恭伸)、第2戦を高橋(奎二)という、シーズン後半になって昇り調子の若いふたりに任せることにしました」

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photograph by Tomosuke Imai

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