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「ドラマが満載だった。山あり、谷ありの」超人・大谷翔平に“苦しみ”も与えたMLBの奥深さを読み解く「ドジャース連覇は偶然ではない」【ポストシーズン二刀流の軌跡】
第7戦の9回表、ミゲル・ロハスの同点弾が飛び出した時、現地の解説者は「この試合は、ライブラリーで永久に保存される」とコメントした。名作であり、傑作。そして2025年秋の大谷翔平にも、ドラマが満載だった。それも山あり、谷ありの。
初の二刀流で臨んだポストシーズン。フィリーズとの地区シリーズでは、打者大谷の弱点があぶりだされた。第1戦の4打席4三振は不吉なサイン。チームは3勝1敗で勝ち進んだものの、大谷は4試合で18打数1安打9三振とスランプに陥った。
フィリーズが示したのは「大谷封じ」のレシピで、追い込んでから外角隅に針の穴を通す制球で大谷に仕事をさせなかった。

ポストシーズンの大谷は、仕事ができないのではないか――と結論を焦るメディアはそう書き立てたが、続くブリュワーズとのリーグチャンピオンシップシリーズの第4戦、先発マウンドに立った大谷は、ライブラリーに直行する傑作となった。
1回表、先頭打者には四球を許したものの、その後、3者連続三振。そのまま初回の打席に立つと、右翼スタンド上段にボールを叩き込んだ。そして4回裏、今度は内角低めの変化球を最初の本塁打よりも遠く、469フィート(約143m)の場外弾を放ち、これにはフレディ・フリーマンをはじめ、ダグアウトのチームメイトも頭を抱えた。メジャーリーガーがたまげるほどの「規格外弾」だった。投げては6回で10奪三振、すると今度は7回裏に左中間にホームランを放って3本塁打。第3戦までは“脇役”に回っていたにもかかわらず、「ポストシーズン史上最高のパフォーマンス」というこの試合の活躍だけで、シリーズMVPを獲得してしまった。
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