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「血が飽和、氾濫して活力を失い…」サンデー系が直面する『三代目の壁』とイクイノックス、ドウデュースらの覇権争いの行方《血統を考える》
名家三代続かずという。古くから経営は三代目で存亡の岐路を迎えるとされてきた。
血統を脈々と紡ぐブラッドスポーツ競馬も三代目種牡馬の責務は重い。近代競馬を席巻するナスルーラ系、ノーザンダンサー系、サンデーサイレンス系の祖ネアルコを生産したイタリア馬産界の巨匠フェデリコ・テシオは、いかに能力が卓越した競走馬であれ、種牡馬直系の継続的な成功には限界があると論じている。なるほど、競馬発祥の地イギリスのダービーでさえ、250年近い歴史の中で父子四代制覇は未達成。日本ダービーは三代制覇すらない。
直系繁栄の難しさは日本競馬の象徴である三冠馬の血脈の行方からも明々白々だ。最初の三冠馬セントライトの父は、イギリスのクラシック優勝馬として初めて日本に輸入された名種牡馬ダイオライト。自身も産駒からオーライト、オーエンス、セントオーら活躍馬を輩出したが、彼ら三代目は種牡馬として成功しなかった。
次の三冠馬シンザンの父もイギリスから来たヒンドスタン。その血は三代目ミホシンザンへと繋がれたが、後は続かず。イギリス出身の祖父テスコボーイ→父トウショウボーイの血を継ぐミスターシービーは自身が三代目。産駒からGI馬は出なかった。

史上初の無敗三冠馬シンボリルドルフも例外ではない。父はアイルランド出身パーソロン。圧倒的な能力は三代目のトウカイテイオーへ継承されたが、彼の産駒で中央GIに手が届いたのは騸馬トウカイポイントと牝馬ヤマニンシュクルのみであった。
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