ストレートを投げれば150kmを出せると思っていた。用意された舞台は引退試合だったのに、その自信もあった。育成契約から支配下登録を勝ち取ったプロ12年目、鍵谷陽平はストレートにさらなる磨きをかけようと取り組んできた。9月25日のエスコンフィールド――イーグルスとの試合で鍵谷はプロ1年目以来、11年ぶり3度目となる先発のマウンドへ上がる。そして先頭バッターの小郷裕哉への初球、鍵谷はストレートを投げ込んだ。しかし、スピードガンの表示は147kmだった。
「手応えはあったのに『150km出なかったか』と思いました。もともと今年、最低でも150kmを出して、来年、さらに上積みするつもりでしたから……」
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photograph by SANKEI SHIMBUN