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「重厚感が出てどっしりしてきた」天皇賞は“彼女の日”となるか? リバティアイランド&川田将雅が「人馬一体」で臨む秋《番記者が選ぶ主役候補》

2024/10/26
昨季、牝馬三冠を達成したリバティアイランド
スターホースの引退で主役不在とも囁かれる今年のGI戦線。しかし停滞は爆発の予兆。東西の敏腕競馬記者が選ぶ秋の主役候補は、かつてGIで覇を競った2頭のヒロインだ。(原題:[東西番記者の推し]人馬一体で挑む秋 リバティアイランド)

 アッパーニューヨーク湾の島に屹立する女神像は、前へ一歩を踏み出している。足元に転がるのは、引きちぎられた鎖と足枷。拘束からの解放を表現しているという。

 その島から命名された女王リバティアイランドも今や“自由”だ。昨年10月までは牝馬三冠戦線に沿って走り、今春はUAE遠征後に右前脚の種子骨靱帯を傷めて休養するしかなかった。ようやく束縛を解かれた今秋。行く先は府中芝10ハロンの天皇賞と決まった。

負けた日は「彼女の日ではなかった」ということです。

 国内外にビッグレースがある中で、進路を定めた要因は何だったのか。中内田充正調教師の答えはシンプルだった。

「ベストは2000mかなというところで、メンバーは強いですけど、ローテーションを考えると、ここが一番かなと思います」

 注目すべきは距離だろう。昨年11月に2400mのジャパンCで世界最強馬イクイノックスに次ぐ2着。今年3月には2410mのドバイシーマクラシックで'22年のBC王者レベルスロマンスから0秒44差の3着に敗れたが、決して力負けではなかったはずだ。

「状態は良かったです。正直なところ、馬場もありますけど、展開ですね。大きくまとめると『彼女の日ではなかった』ということでしょうか。もちろん勝ち馬も強かったです。今年だけで3つもGIを勝っていますから」

 It was not her day.

 欧米で研鑽を積んだトレーナーは、そう表現した。つまり、運がなかった。スローペースで前方2、3番手が1、2着。中団後方から追い上げたのはむしろ高く評価できる。

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photograph by Photostud

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