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【女子レスリング】“全階級表彰台”と“金メダル4”の快挙を生んだ高知の街クラブ、創部7年・育英大《藤波朱理/櫻井つぐみ/元木咲良/鏡優翔》
2024/08/26
連勝中の藤波の圧勝で勢いづくと櫻井も元木も鏡も、続々と本領発揮。強くしぶとく美しい女王たちの競演は、全階級で表彰台という快挙を生んだ。(原題:[レスリング女王4人の歓喜]藤波朱理/櫻井つぐみ/元木咲良/鏡優翔「金メダルとシャンパン」)
「今日も、いい一日になる」
パリ五輪の選手村。女子53kg級の藤波朱理はいつものように、毎朝唱える言葉を呟いた。彼女の一日は同室で女子76kg級の鏡優翔とコーヒーの香りを楽しむモーニングから始まる。あるコーチが「今回の日本チームの選手は本当に明るくて仲がいい」と語っていたが、それを象徴するような光景ではないか。
“もうひとりの藤波朱理”と向き合って獲った金メダル。
案の定、日本レスリングにとってパリ五輪は東京五輪の金5個を上回る金8個という最多レコードを大幅に更新する快挙を成し遂げた。8月8日は藤波にとって朝の口癖通りの一日になった。
順調に勝ち進み、決勝ではルシア・ジェペス(エクアドル)と戦った。時間が経つにつれ、ジェペスは自分が攻めることより、いかにして藤波のアタックを防ぐかということに腐心している様子だった。こうなると、藤波の思うツボ。面白いように得意の高速タックルなどでポイントを重ねていき、自分の足を触らせることなく、10-0と完封勝利を収めた。
昨年の世界選手権でジェペスと当たったときには先制攻撃を受け、いきなり5点ビハインドとなったが、そうした悪い流れにならなかったのは対策が十分だったからだ。
巷では吉田沙保里の119連勝を凌ぐ137連勝を話題にする向きもあるが、藤波は連勝記録に無頓着だ。むしろ自分を甘やかすことなく日々の練習を乗り越えるため、“もうひとりの藤波朱理”と向き合うことに重きを置く。五輪の1カ月前、藤波はこんなことを呟いた。
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photograph by JMPA(Takuya Kaneko / Kaoru Watanabe / Asami Enomoto)