快挙を達成しながらも、「中途半端な順位」と悔しさを滲ませる。だが、若きハードラーの走りは日本人が世界と戦えることを確かに証明した。(原題:[110mH初の決勝進出]村竹ラシッド「世界まであと0秒12」)
男子110mハードルの村竹ラシッドの5位入賞は、1932年ロサンゼルス大会での100mの吉岡隆徳の6位を上回り、五輪の陸上男子短距離種目では歴代最上位の結果となった。
その快挙にも村竹は「中途半端な順位なのでいいのか悪いのかもわからないし、しかもメダル争いに加われていたかもしれないので悔しさの方が大きい」と本音を口にする。
事実、1台目のハードルには足をぶつけたが2台目、3台目で立て直して5台目までは3位。自分の持ち味だという中盤以降の加速をしようとした矢先の6台目で、伸ばしたリード脚をハードルにぶつけてバランスを崩し、そこからは乗り切れない走りに。最後は思い切り前傾してゴールに飛び込んだが、13秒21でメダルには0秒12届かなかった。
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photograph by Ryosuke Menju / JMPA