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【独占インタビュー】「あの場所で、あのメンバーとやっていたから」ブレイキン・AMIが語る“金メダル”を呼び寄せた「あの判断」と“ノクチ”への感謝

2024/08/21
パリ五輪・ブレイキンで金メダルを獲得したAMI
ダンスフロアへと変貌を遂げたコンコルド広場。そこで誰よりも自由に舞ったBガールが頂点に立った。彼女が貫いたスタイル、共に戦った仲間への想い、ムーブを受け継いだ師匠への感謝を今、言葉にする。(原題:[ブレイキン初代女王が明かす]AMI「どんな結果でも最高!」)

 金メダリストがインタビューにかぶってきたのは日の丸柄のニット帽だった。編み物が趣味のAMIは、それを今回のオリンピックに向けて作ってきたのだという。

「赤いところをもう少しきれいな丸にしたかったんですけどね」

 素人目には十分きれいに見えるが、踊るときと変わらない細部へのこだわりがそんなところにも垣間見えた。

 金メダル獲得から3日、周囲の大きな反響はいまだやむことがないという。

「みんなが声をかけてくれたり、取材を受けたり、徐々に徐々に、本当に獲ったんだなと実感してます」

「決勝でやりたかったけど、絶対に今だな」直感を信じて。

 今大会で初採用されたブレイキン。注目のダンススポーツで、AMIは初代女子金メダリストとなった。ラウンドロビンから決勝までの15ラウンドの長丁場を振り返って、ひとつの大きな分岐点があったという。

「あの判断がなければ金メダルはなかったかもしれないです」

 準決勝のバトルの前、次の踊りの構成を頭の中で組み立てているときだった。

「ここであのムーブを使おう。決勝でやりたかったけど、絶対に今だな」と考えた。特に理由があったわけではない。バトルを繰り返してきたダンサーの直感というやつだ。それは代表コーチであり、師匠・石川勝之(ダンサー名KATSU ONE)のシグネチャームーブ。「どのバトルでも使うわけでもなくて、KATSUさんとの思い出も込めてここに置いていきたいという時に使う」と大事に受け継いできたとっておきのものだった。

Japan DanceSport Federation
Japan DanceSport Federation

 日本のAYUMIを破って勝ち上がってきたINDIA(オランダ)との準決勝、第3ラウンド。DJがかけたHomeboy Sandman『The Carpenter』に合わせ、軽やかにパワームーブを繰り出し、そこから小刻みなラップに合わせて両足をきびきびと、ときには柳のようにしなやかに動かしながらフットワークを繋いだ。

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photograph by Asami Enomoto / JMPA

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