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《ダルビッシュ有の名勝負①》2007年楽天戦:坪井智哉が語る「マー君との投げ合い」と劇的サヨナラ「早くアメリカに行けって」

2024/06/21
ダルビッシュはこの試合で200投球回突破。「この試合で壊れてもいいというぐらい思い切り投げた」

 本拠地最終戦を迎えた超満員の札幌ドームは、重苦しい空気に包まれていた。18歳のルーキー、田中将大にファイターズ打線が成す術もなく打ち取られていく。

「8回1失点で負け投手なんて、いくらなんでもかわいそうや」

 ベンチから戦況を見守る坪井智哉は、ダルビッシュ有のことが気の毒になった。

 日頃から、坪井たちベテラン勢は、冗談めかして彼にこんな声をかけていた。

「今日は1点で抑えろよ。俺らは2、3点しか取られへんぞ」

 この年のファイターズにあっては、本音も交じった冗談だった。だが21歳のエースは、援護に恵まれなくても文句ひとつ言うことなく白星を重ね、気づけばリーグ2連覇へのマジックは6まで減っていた。

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photograph by KYODO

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