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【ダルビッシュ有を語る】デビット・ロス監督と“良妻”カラティーニが見た投手としての強み「これだけ違う球種を、スピードを変えて投げるなんて…」

2024/09/05
“夫唱婦随”で練習に向かう。カラティーニは謙虚な人柄で日本人と共通する面が多いという
今季のめざましい躍進ぶりを語る上でまず見逃せないのが、捕手出身の新指揮官と、相性抜群の“専属捕手”の存在だ。彼らはチームの大黒柱とどう関わり、どう支えたのか―。(初出:Number1014号[飛躍の1年を終えて]監督と“良妻”が見たダルビッシュ。)

監督 デビッド・ロス「投げてくれることが楽しみだった」

 10月2日。ワイルドカードシリーズ第2戦でマーリンズに敗れ、今季の全日程を終えたカブスのデビッド・ロス監督は、世界一の夢がついえた現実をよそに、しみじみとダルビッシュ有の働きを労った。

「ユウは、年間を通してすばらしい投球をしてくれたし、すばらしい1年だったと思う。監督としては、5試合ごとに投げてくれることが楽しみだった。彼は本物のプロフェッショナル。彼がやり遂げたことを誇らしく思う」

 リーグ最多の8勝を挙げ、防御率2.01。12試合中、10試合でクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)をクリアした抜群の安定感こそ、舵を取るスキッパーが求めるエース像だった。

 2016年、カブスの控え捕手として世界一に貢献した後、現役を引退したロスは、その後、テレビの解説者などを務めながら、ネット裏からダルビッシュの投球を見つめてきた。現役時代の直接対決は、ロスがレッドソックス、ダルビッシュがレンジャーズに在籍した2013年の1試合だけで、結果は2打数1安打1四球1三振。その1安打が本塁打だった。

 前任のジョー・マドンの後を受け、今季から指揮を執ることになったロスにとって、コロナ禍によるキャンプ中断、変則の短期日程は、戦力と状態を見極めるうえで、十分と言えるだけの期間があったわけではなかった。打者として対戦経験はあっても、捕手としてバッテリーを組んだことはない。昨季後半、めざましい活躍を見せたダルビッシュにしても、万全の状態で開幕を迎えられるかは不透明だった。

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photograph by Yukihito Taguchi

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